2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

検証

「市場化テスト その7」で、国が民間企業に業務を委託する場合に注意しなければならないことをいくつか書きました。 委託とは、少し違うのですが、興味深い事件がありました。詳しくは「新潟駅周辺駐車場問題について」をお読み下さい。 要約すると、新潟市…

稼ぎに追いつく貧乏なし

借金して学校を出してくれた親を子供はどう思うだろうか? 8月24日の読売新聞に杉山美邦経済部長が書かれた「財政再建もう待てない」という記事を読んだ感想です。記事はこんな風に始まっています。 「 自民党総裁選の候補に背負って欲しいものがある。 …

2006年福祉宇宙の旅 その6

「2006年福祉宇宙の旅 その4」で書いた所得に関係のない基準による給付によって貧困に対応すると言うのは奇妙な政策であると考えられるかもしれません。 しかし、現在の生活保護の実態を見ると、一見したほど荒唐無稽でもないと思えます。 まず、保護を…

「発達障害」は別のもの

「発達障害」について、どうも気になるので、少し調べてみました。結果報告です。 まず、発達障害者の対策の基本になっている法律がこれです。 「 " target="_blank">発達障害者支援法」 発達障害者専用の法律です。ニート対策とは全く関係のない作りになっ…

2006年福祉宇宙の旅 その5

「2006年福祉宇宙の旅 その4」までで、エネルギーが切れてきましたので、少し休んで補給をします。 このシリーズはhamachanさんのコメントに答える形で始まっているのですが、hamachanさんのコメントにra-toyoさんが質問をされています(http://inquiry.…

2006年福祉宇宙の旅 その4

「2006年福祉宇宙の旅 その3」で書いたように勤労所得ゼロの世帯を明確に把握できないとしたらどうすればいいのか? 一つの回答が、貧困世帯に限定せずに、所得以外の基準に基づいて定額の給付、つまり所得によっては金額が変わらない給付を行うことで…

生きるべきか死ぬべきか

「鬼神は敬して」では、論語でしたが、今度はシェイクスピアです。 シェイクスピアの4大悲劇といえば、ハムレット、ロミオとジュリエット、オセロー、リア王、マクベスです。 良い台詞がたくさんありますが、もっとも有名なものを一つだけ、ということにな…

2006年福祉宇宙の旅 その3

「2006年福祉宇宙の旅 その2」で説明した、最低生活保障とメイク ワーク ペイを不完全ながら両立させようとした仕組みを作った場合のもう一つの大きな問題は、勤労所得ゼロの世帯の扱いです。 勤労所得ゼロと言う世帯には幾つかの類型があります。 一つ…

鬼神は敬して

「汝殺すなかれ」は聖書の一節ですが、今度は論語です。 「民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、智と謂うべし。」 (http://www.asahi-net.or.jp/~pd9t-ktym/bunsyo.html) (語句文頭音の「き」で引いてください。) 鬼神は神霊と考えていいでしょう。 …

2006年福祉宇宙の旅 その2

「2006年福祉宇宙の旅 その1」で説明した「低所得世帯に最低生活費と所得との差額を支給する」という手法には、大きな欠陥がありました。勤労へのインセンティブがない、言い換えればメイク ワーク ペイにならないことです。 この欠陥をある程度是正す…

発達障害

飯田先生が「発達障害って範囲広すぎない???」と書かれています(http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20060824)。範囲と人数、両方の意味でおっしゃっているのだと思います。 発達障害というのは、身体障害、知的障害、精神障害などに比べて、まだなじ…

汝殺すなかれ

日本経済新聞の春原編集員が靖国問題に対するアメリカの「戸惑い」について評論されています(http://www.nikkei.co.jp/neteye5/sunohara/index.html)。 なかなかいい論説だと思いつつ、ふとこんなことを考えました。 東京裁判でA級戦犯を死刑にしたことが…

2006年福祉宇宙の旅 その1

このエントリーのタイトルは、「生活保護と最低賃金 その2」に寄せられたhamachanさんのコメントに由来します。内容も繋がっています。 貧困を減らすための対策には、さまざまなものがありますが、社会福祉、社会扶助として金銭を給付するという範囲で、代…

貯蓄から投資へ

「貯蓄から投資へという小泉政権の金融構造改革は足踏みが続いている。」http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060819k0000m070139000c.html 19日の毎日新聞の社説です。 明らかに、「貯蓄から投資へ」という改革を促進すべしという立場から…

「日銀政策委員会のみなさま、交易条件を考えなくていいのでしょうか?」の補足

「日銀政策委員会のみなさま、交易条件を考えなくていいのでしょうか?」を、少し補足しておきます。 日銀政策委員会の議事要旨を引用します。順番は少し変えてあります。 「生産について、委員は、増加を続けており、先行きも、内外需の増加を背景に、増加…

日銀政策委員会のみなさま、交易条件を考えなくていいのでしょうか?

しばらく前に、交易利得、損失、交易条件について「もう少しがんばりましょう、日経新聞」というちょっぴり嫌みなエントリーを書きました。(嫌みについては反省しています。) さて、日銀が7月13,14日に開かれた政策委員会の議事要旨(http://www.boj…

「15回延長でまた明日、だなんて~~」について

「15回延長でまた明日、だなんて~~」に刺激されて調べてみました。 気象庁のデータです。毎日の全国データ一覧表(http://www.data.kishou.go.jp/synopday/data1s.html)。発表が早いですね。 今日の最高気温の高かった3地点。 1位 舞鶴 37.7度 2位…

「生活保護と最低賃金 その1」へのhamachanさんのコメントに対するお返事

「生活保護と最低賃金 その1」にhamachanさんから次ぎのようなコメントをいただきました。 「刑事罰にはそもそも道徳的倫理的に許されない刑事罰と、どっちもあり得るけれども、社会的を円滑に動かすためにはこっちにしておいてそっちをやったら罰を与えま…

もう少しがんばりましょう、日経新聞

少し古いのですが、日経新聞の8月15日の記事を取り上げます。 日経の記事の内容 見出しは「実質GNI伸び悩む」で、やや小さく「原油高で押し下げ」、「GDPに海外の投資収益を加算」とあります。 冒頭に「国内総生産(GDP)に海外からの利子・配当収入を加え…

障害者と年金

「「高齢期はエッフェル塔で」について」のコメント欄で、お約束したとおり障害者年金について調べてみました。 年金は国民年金の場合、厚生年金の場合、共済年金の場合と分かれているのですが、基本は同じです。一番単純な国民年金で考えてみます。 20歳…

hamachanさん、ノルマンディー上陸作戦決行

といっても、別にhamachanさんが夏休みを利用して、フランスへ行かれたというわけではありません。 「オベリスクとエッフェル塔」(http://takamasa.at.webry.info/200607/article_30.html)で始まったhamachanさんとのやりとり(対英戦)を完了させないまま…

生活保護と最低賃金 その2

今回取り上げるのは、本田先生が「あたりまえのこと」のコメント欄で主張されている、いわゆる「買い叩き」の問題です。 まず、前提として、労働者は、労働サービスを売り急ぐ傾向があるのは確かです。 ひとつには、生きていくためには、毎日、毎日、衣食住…

生活保護と最低賃金 その1

「「あたりまえのこと」でしょうか?」に、本田先生からお返事をいただきました。(「あたりまえのこと」のコメント欄をご覧ください。)また、質問もいただきました。単なる質問というよりも反論というほうが正確かもしれません。 さて、「低生産性の労働者…

「あたりまえのこと」でしょうか?

本田先生が、「もじれの日々」で、こんな御主張をなさっています「あたりまえのこと」。 注 本田先生が「もじれの日々」を非公開にさましたので、リンクが切れています。(2006年8月29日追記) 「オベリスクとエッフェル塔」で始まったhamachanさんと…

「改革利権」 その2

「「改革利権」?」に、bewaadさん(http://bewaad.com/20060813.html)とkumakuma1967さん(http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20060813)からTBをいただきました。 bewaadさんのご指摘は、「従来の規制にはそれなりの意味があったかもしれないのに、そ…

2006年4-6月GDP速報その1

2006年4-6月GDP第一次速報が発表されました。 実質はこちら↓ http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe062/rshihanki.html 名目はこちら↓ http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe062/nshihanki.html 一時速報は、修正されて二次速報になり、さらに修正さ…

「改革利権」?

昨日、2006年8月10日の日経新聞に「規制改革失速の恐れ」という記事が出ていました。 イントロとして7月31日に規制改革・民間開放推進会議が中間報告を出した後の記者会見の模様が紹介されています。 以下引用です。 八代尚弘・国際基督教大教授が…

「高齢期はエッフェル塔で」について

「高齢期はエッフェル塔で」にhamachanさんから「メイク・ワーク・ペイ その3」というコメントをいただきました。hamachanさんのご提案の全体像について、すぐにお返事をするには私の考えが煮詰まっていませんので、少し時間をかけて考えてみたいと思います…

社会保険庁の数値目標

社会保険庁の不正免除の検証作業が終わりました。報告書がまとめられています。 http://www.sia.go.jp/topics/2006/n0803_1.pdf この全体についてコメントするのは、私の手に余りますが、数値目標のあり方について触れられているのが目に付きました。 「納付…

高齢期はエッフェル塔で

「「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」について」について、コメント欄でhamachanさんとやりとりをしました。いくつか意見が違うのですが、今回は高齢になって働くことができなくなった時期の対応について、私の意見を述べます。 まず、高…