検証

市場化テスト その7」で、国が民間企業に業務を委託する場合に注意しなければならないことをいくつか書きました。

委託とは、少し違うのですが、興味深い事件がありました。詳しくは「新潟駅周辺駐車場問題について」をお読み下さい。

要約すると、新潟市が民間会社に駐車場に土地を貸し、売り上げの一定割合を受け取るようにしていた。残りは民間企業の収入になるのですから、民間企業はに売り上げ増加のための工夫をするはずです。細かく指図をする必要もありません。インセンティブスキームとしては、単純ですがいい方法です。

ところが、うまくいきませんでした。この民間企業は子会社に管理を任せていたのですが、子会社が売り上げをごまかし、収入を少なく報告していたのです。

単純な手口ですが、市は最初から駐車場を管理していませんでしたから、収入が少なすぎると気づきませんでした。15年度は4割以上少なく報告していたのですからひどいものです。

ごまかしていたことを、社長が気づいた時に是正はさせたようですが、市には黙っていたようです。返金もしていません。

市は、やはり売り上げをチェックする仕組みを作っておくべきだったでしょう。モニタリングの欠如です。相手が上場企業であるということで、まさかそんなことをすると思わなかったのでしょう。また、インチキがばれれば信用は失墜するし、指名停止になるのだから、そんなことをするはずがないと考えたのかもしれません。信頼していたのでしょう。

信頼は大切です。しかし、検証はしなければなりません。これが今回の教訓でしょう。

また、民間企業側に順法精神が求められのは当たり前ですし、企業による社員に対する教育、監視が必要です。これは国や地方公共団体でも同じです。

さて、国と民間が共同運営する刑務所ができる予定です。

http://www.asahi.com/national/update/0826/TKY200608260210.html

この記事によると民間企業の中心になるのは大手警備会社です。実は、新潟市と契約していたのはこの警備会社の子会社です。親会社は名誉に掛けてきちんと仕事をして欲しいものです。また、国も検証を怠ってはなりません。

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