2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「基軸通貨国によるゼロ金利強制」について

「基軸通貨国によるゼロ金利強制」というエントリーを4年前に書きました。 このエントリーではカバーなし金利平価説に基づいて基軸通貨国がゼロ金利政策をとると、非基軸通貨国は基軸通貨に対する為替レートの上昇を甘受するか、自国もゼロ金利政策をとるか…

設備投資を焦点とすべきではない

2013年1-3月期DGP一次速報が発表され、いろいろ評論が出ている。その中で有力なのが今後の設備投資が焦点であるという見解であり、その基礎には「早く財政出動をやめなければ」、という思いがあり、その延長には、「何とかして早く設備投資を増やささな…

「アベノミクスと財政再建」の補足3 外貨準備

「アベノミクスと財政再建」 で書いた効果に加えて、もう一つ大きな要素があります。国の持つ外貨準備の円でみた場合の評価益です。 外貨準備には様々な構成要素がありますが、中心は外貨で4月末で1兆1,885億ドルあります。この外貨を買うための円を調達す…

続小野理論 最終回

「続小野理論 その9」の続きです。今回が最終回です。 Ⅶ 不況定常状態 1 流動性の罠 実質残高(貨幣)の限界効用に下限β>0が存在するとしよう。実質で測った貨幣をいくら持っていても追加的な貨幣から得られる効用が一定水準より下がらないということを…

続小野理論 その9

「続小野理論 その8」の続きです。 Ⅵ 金融資産が存在する経済での完全雇用一般均衡 金融資産が存在する経済で、もし、一般均衡つまりすべての市場で均衡が達成されるとしたら、そこでは実物量、賃金、一般物価水準がどのような値に決まるかを考えよう。第5…

続小野理論 その8

「続小野理論 その7」の続きです。 Ⅴ 市場での調整 1 ストック(≡金融資産)市場の調整 このモデルでは実物資産(土地や実物資本財)を想定していないので、ストックは貨幣と株式の二つである。この二つの市場は、調整速度が速く、常に需給が均衡すると仮…

続小野理論 その7

「続小野理論 その6」の続きです。 Ⅳ 企業の最適化行動と企業価値 このモデルでは、企業は利潤最大化を目標として行動する。企業は労働を投入して、財を生産し、市場に供給するものと捉えられる。企業の利益はすべて配当として家計に分配される。 企業の労…

24年度の所得税と消費税

「「アベノミクスと財政再建」の補足2 24年度の法人税」で取り上げた法人税と並んで重要な税が所得税と消費税です。3月までの実績を見てみます。 まず、所得税から。 所得税額(100万円)23年度当月23年度累計24年度当月24年度累計3月429,4881…