2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

インセンティブスキームに対するご質問にお答えして

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その8」に、情報の非対称?2さんからこんな質問をいただきました。 民間事業者が市場化テストに参加した場合、「国のセーフティネットの一部を担う。」という大義があるわけですよね。民間事業者に…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その6

「社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その5」に続いて、「第2章 合理的期待形成と新古典派成長モデル」に入ります。 今回は、「第1節 合理的期待形成の定義:裁定条件式を通して」の説明に入ります。この節は、社会人にとって、このテキストの中…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その10

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その9」で使った例で、少し補足をしておきます。 「ある一定数の就職を目標とし、それに達しなかった場合には、罰金を科す」ときに全員を就職させるようにすればいいのではないか、10人を就職させ…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その9

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その8」で、二つの工夫が必要であることを示しました。 一つは、本来なら、もっとも政府が支援すべき人、実際に就職困難な求職者に対してはサービスが提供されるようにするための工夫です。 もう一つ…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その8

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その7」の続きです。 ハローワークの業務を民間会社に行わせる場合には、インセンティブスキームを作らなければなりません。 適切なインセンティブスキームを作るのが、かなり困難だと思います。根本…

1次同次の生産関数

定義 ある関数F(X、Y)の独立変数をすべてm倍したとき、その関数の値がmのn乗になれば、この関数はn次同次という。n=1の時、一次同次です。 Fが生産関数であるとき、Fは1次同次の生産関数です。 特徴 1次同次の生産関数は、いくつかの特徴を…

研修生の保護

研修生の保護について考えていたのですが、基本的な方向が二つあります。hamachanさんも引用されている経済産業省の報告書が、意外にバランスよく記述しているので、引用します。 現在の制度の運用実態に鑑み、研修期間中の研修生の保護を強化することも課題…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その7

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム」でこんなことを書きました。 実際に就職支援を行う民間事業者は、カウンセリングや実際の支援を行うことによって、徐々にではありますが、就職させやすい人、つまり余りコストを掛けなくても済みそう…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その5

「社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その4」で、テキストに入るための準備は終わりました。いよいよ、第1章を読み始めましょう。 この章は「マクロ経済モデルの座標軸」と題されています。この章を読むとき、この章が序章ではないということに注…

若者の就職-19年3月卒 その7

今度は19年3月卒業予定者の、高校生は3月末、それ以外は4月1日の状況です。 データはここです。 大学生など、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/05/h0515-2.html 高校生http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/05/h0515-1.html こんな結果でした。 就職希…

「続・公的部門のあり方を考える⑦~道州制導入の是非」について

TORIさんが、「続・公的部門のあり方を考える⑦~道州制導入の是非」でこんなことを書かれています。 4)他にも課題は山積 さらに、道州制を導入するに当たって、国と地方の役割のグランドデザインをどうするかという問題の決着がまったくついていません…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その4

定常状態 定常状態の性質 定常状態の性質を調べてみましょう。 まず、「社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その3」の復習です。 kt=kt-1となるkt-1の水準、つまり資本がもう変化しなくなる水準を考えてみます。この水準をksで示すこと…

ソローモデルでの定常状態:均斉成長

ソローモデルでの定常状態は次の表のように要約できます。 この前提を説明しておきます。 1 資本K(t)、労働L(t)、技術の変化を表すA(t)の初期状態、K(0)、L(0)、A(0)は所与だとします。 2 労働L(t),技術A(t)は、外生的に…

技術進歩の中立性

生産関数Y(t)=F{K(t)、L(t)}を考えます。 ここで、Yは産出、Kは資本、Lは労働投入です。tは時点を表します。 このままですと時間が経って、資本が増えたり、労働が増えたりすれば産出は増えますが、資本や労働に変化がなければ、産出は…

立て!日本の経済学者!契約理論研究家!ハローワーク市場化テスト決定!

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その6」まで議論してきたハローワークの市場化テストが実施されることになりました。 立て!日本の経済学者!契約理論研究家! 枠組は、hamachanさんの「ハローワーク市場化テスト案」で分かりますし…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その3

資本の蓄積経路 さて、今回は、「社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その2」で示した仮定の下で、どのように資本が蓄積されていくか、その経路を考えます。 資本は如何に蓄積されていくのか 基本は、今期の資本(kt)=前期の資本(kt-1)+今…

民法第772条 様々なケース その3

「民法第772条 様々なケース その2」での予告通り、離婚後、再婚のケースを取り上げます。 夫と離婚し、再婚しない、再婚を拒否された場合、夫と離婚し、再婚した場合に現れる組み合わせは、婚姻の解消の理由が離婚に変わるだけです。ただ、死後の人工授…

民法第772条 様々なケース その2

「民法第772条 様々なケース その1 」で予告したとおり、今回は、死別後再婚のケースを取り上げます。 今回はケースが多く、18通りあります。しかし、本質的に新しいケースは輪それほど多くありません。 Ⅱ 夫と死別し、再婚した場合 解消の理由婚姻中…

民法第772条 様々なケース その1

以前、「民法第772条 改正案 その3」などを書いたのですが、民法772条問題が、依然として議論されています。議論のされ方に、かなり違和感を感じています。 (参考) 民法第772条 1 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 2 婚姻の成立…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その2

「社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その1」の続きです。 以下では、赤字はべき乗を青字は期を表します。 テキストを読み始める前に、今回と次回、テキストにはないミクロ的な基礎のない入門用マクロ動学モデルを考えて見ます。 このモデルは基本…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その6

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その5」まで書き連ねてきて思うことがあります。 あまりイデオロギー的な発想はよくないなということです。 ハローワークの市場化テストとは、つまるところ次の二つの選択に過ぎません。 1 公務員を…