2015-01-01から1年間の記事一覧

消費の動向が分からない根本的な理由

(2015年12月31日追記あり) 消費の動向の把握が、経済運営にとって極めて重要であることは言うまでもないでしょう。 それなのになぜ、統計で把握できないのか?根本的な理由を説明しておきましょう。 家計が、企業(生産者・販売者)から消費財、サービスを…

家計調査のカバー率

「2015年10月分の消費の謎」に関連して、調べてみました。 総務省統計局の人口推計によると、2015年11月の日本の総人口は12,689万人。これには外国人が含まれています。 同局の労働力調査によると、二人以上の世帯は、3,550万世帯で、1世…

人的資本の生産が増えているかもしれない根拠 男女計年齢計

「人的資本の生産が増えているかもしれない根拠 若い女性」に関連して、労働力調査で「正規の職員、従業員」(以下「正社員」)の数を見ることができます。月々の数字にはランダムな変動があると思われますので、3か月の移動平均で見ることにしました。6月…

2015年11月になってもまだ男の普通の仕事は足りない

11月分が発表されました。 働き盛りの男性の就業率は次の通りです。 11月の男性の年齢階級別就業率(%)年齢1997年2008年2015年97年との差08年との差25~34歳93.790.489.3△4.4△1.135~44歳95.793.89…

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年10月)

10月分が発表されました。 常用雇用は、全体では対前年同月比2.2%の増加です。これで7月から10月まで4か月連続して2.0%を超えたことになります。内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が9月と同じ1.3%であり、パートタイム…

販売側からみた消費 一昨年との比較 11月

うっかりしていて、10月分を飛ばしてしまいました。10月を見ると、「販売側からみた消費 一昨年との比較 9月」で書いたように、「消費税の引き上げの影響は、一応脱したということではないか」と思われるのですが、11月分を見ると、すべて水面下です。…

2015年10月分の消費の謎

10月の商業動態統計確報http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/kakuho_1.htmlでは、小売業の売り上げは名目1.8%伸びている。しかし、10月分の家計調査http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htmで、二人以上世帯の消費額…

気がかりな数字

「7月は出生数が減少」では、7か月間続いていた出生数の増加が途切れたことを書きましたが、生まれた子が生き延びるかどうかも、問題です。社会的な影響を考える前に、子をなくすということはつらいことでしょう。社会全体で子の命を守ることに、日本は大…

7月は出生数が減少

7月分が発表になりました。「6月も出生数は増加」に続いて、7月も増加となってほしかったのですが、残念ながら、前年の7月に比べると819人の減少です。7か月続いた増加が止まりました。 7月までの過去1年間では1,014,921人です。その前の…

2015年度の税収予想(10月実績から)

10月分の実績(http://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/taxes_and_stamp_revenues/h201510.htm) が発表されましたので、試算してみます。 9月までの税収の動き(百万円)項目所得税法人税消費税実績(A)8,660,210960,8766,058…

単身世帯の雇用者の増加

「2015年10月になってもまだ男の普通の仕事は足りないが」で、働き盛りの男性の就業率を見ましたが、この調査で少し気になる点があります。この調査では、世帯の状況、配偶関係も調べています。私の知っている範囲では、世帯の状況を月々示しているの…

2015年10月になってもまだ男の普通の仕事は足りないが

10月分の労働力調査が発表になりました。 働き盛りの男性の就業率は次の通りです。 10月の男性の年齢階級別就業率(%)年齢1997年2008年2015年97年との差08年との差25~34歳93.590.290.5△3.00.335~44歳96…

「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)」番外

これまで書いてきた「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)」では、前年同月比の変化を解説してきた。 毎月勤労統計が最近の労働市場の状況を把握するための速報統計(構造統計に対する速報統計という意味で、速報、確報という意味での速報で…

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)

9月分が発表されました。 常用雇用は、全体では対前年同月比2.0%の増加です。7月から4か月連続して2.0%です。内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が1.3%であり、パートタイム労働者の増加率は3.9%となっています。7、月…

2015年夏季賞与の怪

9月分の毎月勤労統計で夏季賞与が発表されました。事業所規模5人以上の計では前年比2.8%の減少、少し規模の大きい30人以上規模のでも3.2%の減少でした。一方、経済団体連合会が発表していた夏季賞与・一時金大手企業業種別妥結結果では、2.8…

6月も出生数は増加

「5月も出生数は増加」について 6月分が発表になりました。 6月も出生は前年同月を上回りました。これで7か月連続です。5月は増加数が372人と4月に比べてずいぶん減って、心配していたのですが、6月は1,576人の増加と回復しました。過去1年…

人的資本の調整 老

人間は、死なない限り1年に1歳年を取ります。ある年の年齢別人口は、前の年の年齢別人口によって決まってしまいます。変わるのは、「人的資本の調整 生 その2」で取り上げた「生」と今後取り上げる予定の「死」だけです。 その年に需要側が「30歳代の労働…

2015年度の税収予想(9月実績から)

9月分が発表されました。所得税と消費税は好調です。法人税は不調です。この三つを合わせると好調です。好調すぎるのかもしれません。 9月までの税収の動き(百万円)項目所得税法人税消費税実績(A)7,792,256590,0444,624,544…

人的資本の生産が増えているかもしれない根拠 若い女性

「「人的資本の生産が増えているかもしれない根拠」について」では、男性だけを取り上げましたが、今回は女性を取り上げます。 15歳から24歳では、大体増える傾向にあるようです。男性と合わせると7月までは増加、8月は増減なし、9月は減少です。 1…

「人的資本の生産が増えているかもしれない根拠」について

労働力調査の9月分が発表されましたので、「人的資本の生産が増えているかもしれない根拠」にに9月分を追加しておきます。 残念ながら、15歳から24歳では、8月に続いて9月も減少しています。 15から24歳の男性正社員・正職員の数の動向(万人)月2…

人的資本の調整 生 その2

「人的資本の調整 生」では、景気が良くなっても出生はすぐには増えないだろうということを述べました。では、景気が悪化したときはどうでしょうか。すぐに減ると考えていいのでしょうか? たぶん、一時的な不況と受けとめられている限りでは大きな変化はな…

2015年9月になってもまだ男の普通の仕事は足りないが

総務省統計局から9月分の労働力調査が発表されました。 働き盛りの男性の就業率は次の通りです。 9月の男性の年齢階級別就業率(%)年齢1997年2008年2015年97年との差08年との差25~34歳93.690.790.6△3.0△0.135…

人的資本の生産が増えているかもしれない根拠

「なぜ雇用は改善し続けているのか?人的資本の生産が増えているから? その2」で、「本当に人的資本の生産が増えているのかは実証できるデータがあまりありません。学卒採用が増えていることぐらいです。」と書いたので、これに関連する数字を。 総務省の…

人的資本の調整 生

人的資本の根本は人口です。人的資本が不足すると、人口が増え不足が回復すると単純に考えていいでしょうか?s販売して利益を得ることを目的として生産される商品であれば、需給がひっ迫し、価格が上場すればコストとの差である利益が増えますので、企業が…

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年8月分確報)

8月分の確報が発表になりました。 常用雇用は、全体では2.0%の増加です。15年に入ってから2%程度の伸びが続いてます。内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が0.9%であるのに対してパートタイム労働者の増加率は4.7%とかなり…

販売側からみた消費 一昨年との比較 9月

一言、お詫びを。確認しましたところ、これらすべての売上高には消費税が含まれていないことが分かりました。これまでの記事には誤解がありました。 「販売側からみた消費 一昨年との比較 8月」なども修正いたしました。 さて、9月分です。百貨店とチェー…

人的資本の調整

「なぜ雇用は改善し続けているのか?人的資本の生産が増えているから? その2」に関連して。 人的資本の過剰、不足の波は物的資本のものに比べて長いようです。印象を述べると、戦後の日本での循環を考えると、敗戦直後から高度成長に入るまでの間が過剰期…

なぜ雇用は改善し続けているのか?人的資本の生産が増えているから? その2

「なぜ雇用は改善し続けているのか?人的資本の生産が増えているから?」で書いた最初の問題、本当に人的資本の生産が増えているのかは実証できるデータがあまりありません。学卒採用が増えていることぐらいです。一応、増えているのだと考えた場合の問題、…

なぜ雇用は改善し続けているのか?人的資本の生産が増えているから?

「なぜ雇用は改善し続けているのか?」で、生産活動は停滞しているのに雇用はなぜ拡大しているのかという問を立てたのですが、ラスカルさんも同じような問題意識をお持ちのようで、「真の失業率-2015年8月までのデータによる更新」で、「雇用にはこれ…

5月も出生数は増加

5月分が発表されました。 「4月も出生数は増加」していたのですが、5月も出生は前年同月を上回りました。これで6か月連続です。ただし増加数は372人と4月に比べてずいぶん減りました。過去1年間では1,14,164人です。2014年よりは多いん…