気がかりな数字

7月は出生数が減少」では、7か月間続いていた出生数の増加が途切れたことを書きましたが、生まれた子が生き延びるかどうかも、問題です。社会的な影響を考える前に、子をなくすということはつらいことでしょう。社会全体で子の命を守ることに、日本は大きな成果をあげてきました。0歳から4歳までの死亡率は劇的に下がりました。 しかし、2014年の数字は気がかりです。 男の子の死亡率(%)
年齢2013年2014年増減
0歳0.2260.214△0.012
1歳0.0310.0320.001
2歳0.0220.022
3歳0.0160.016
4歳0.0120.0130.001
女の子の死亡率(%)
年齢2013年2014年増減
0歳0.1970.1980.001
1歳0.0290.0300.001
2歳0.0200.0210.001
3歳0.0120.0140.002
4歳0.0090.0100.001
わずかな増加と思われるかもしれませんが、元の数字が小さいので、増加率としては小さくありません。これまで傾向的に下がってきた死亡率が上がったということを軽視すべきではありません。 もし、2014年に乳幼児が感染しやすい感染症(伝染病)が流行っていたなら、一時的なことで済みます。しかし、そのような事実はありません。仮に、阿蘇山でも噴火したり、東南海地震が起こったりしたなら、やむを得ない結果でしょう。けれども、そのような天変地異はありませんでした。シリアのように激しい内戦で、国土が荒廃していたなら、不思議なことではありません。そのような悲劇は起こっていません。 日本は表面的には平穏無事だったのです。 そして、これまで下がってきていた子供たちの死亡率が高くなったということは、日本社会が平時において幼い子供たちを守れなくなってきているということかもしれません。 2015年も続くようなら、社会政策、経済政策を再点検する必要があるでしょう。 人気blogランキングでは「社会科学」の8位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング