2006-01-01から1年間の記事一覧

飯田先生のコメントへのリプライ

「均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その3」など一連のエントリーに、飯田先生からコメントをいただきましたので、リプライを。 前置きを少し。 基本的には、これらは、小野先生のディスカッション ペーパーを自分なりに理解し、自分の言葉で表現しようとし…

銀行の税金 その6

「「銀行の税金 その4」で、全国銀行協会が発表した全国銀行の17年度決算の税金に関係する部分を説明しました。 今度は、18年度中間決算についての発表がありました。 http://www.zenginkyo.or.jp/stat/kessan/index0510.html 単体ベースのものの税金関…

均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その4

通常の国民経済計算では政府サービスの価値はその生産のために投入された中間財、労働者に支払われた賃金の額に等しいと仮定されています。 なお、小野先生のディスカッションペーパー Fallacy of the Multiplier Effect:Correcting the Income Analy…

均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その3

「均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その1」では、通常の国民経済計算のやり方での分析をしてみました。 今回は、生産された政府サービスの真実の付加価値が何らかの方法で計測できる場合の分析をしてみます。純然たる理論の問題として取り扱います。私自身…

均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その2

「均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その1」を書いてから、一つ、仮定を置き忘れていることに気がつきました。 10 政府サービスの提供は、消費者を始め民間主体の行動に影響を及ぼさない。 例えば、非常に治安の悪い状態を考えてください。昼間でも道を歩…

均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その1

「均衡予算乗数」のまとめをしておきたいと思います。自分のためです。 仮定 1 資本の減耗はないとします。これによって減価償却前の粗の概念と償却後の純の概念を区別する必要はなくなります。以下では、記号ではGDPといったものを使いますが、言葉では…

「均衡予算乗数 補足」について

「均衡予算乗数 補足」のまた補足です。 経済的厚生について 1 個人の幸せは経済的なものだけでは決まりません。あの人が浮気を止めてくれたら、どんなに幸せか、この病気が治ればと考えている人は大勢いるはずです。でも、個人、あるいは家計を取れば、お…

均衡予算乗数 補足

「均衡予算乗数」について少し、補足を。 1 価格について 国民経済計算では、取引された価格は、そのまま受け入れるというのが原則です。 民間の主体同士の取引でも、多数の主体が取引する市場で決まる価格、寡占状態の市場で決まる価格、独占市場で決まる価…

均衡予算乗数

飯田先生の「ある意味やばい経済学」を、読んで少し頭が混乱したので、整理を。 関係ない部分は省略していますので、ご注意下さい。(2006年12月24日に地代(財産所得)に関する追加を行いました。 以下で、×××(「○○○」)としてあるのは、私が×××と…

hamachan暴走、平家困惑

「日本には職種別の賃金はないのか?」に、hamachan さんからTB、「日本には職種別の賃金はないのか?」をいただいたのは嬉しいのですが、これは・・・・・・。 「これは、日本の社会政策学なり、労働問題研究の偏向であるといわれれば、その通りとも言え…

賃金はなぜ上がらないのか?

景気がごく緩やかであれ回復し、企業の収益が大幅に改善しているにもかかわらず、賃金が上昇しないというパズルがあります。 賃金の高い団塊の世代が大量退職して、賃金の安い若手の採用が増えているからだという考え方もあります。 他に考えられることはな…

日本には職種別の賃金はないのか?

「危険ではないか?」に続いて、hamachanさんにエントリー(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_99cb.html)に、関連して。 hamachanさんは、こう書かれています。 はっきり言って、(1)日本には職種なんてモノ自体がほとんどないの…

危険ではないか?

hamachanさんが、地域別最低賃金を、生活保護に関連させるという提案に賛意を表されています(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_99cb.html)。メイクワークペイという観点からです。 完全に連動させるという案ではありません。最低賃…

退職金、職域年金、天下り

まあ、公務員の特権として評判がはなはだ悪いシステムです。 これらに共通しているのは、退職後に支払われるものという点です。こういうのを止めて、退職前に仕事に見合った給与を払えばいいという声があるようですが、ちょっとどうかと思います。 一国民と…

「ホワイトハウスのクリスマスビデオ」について

シーラカンスさんが、「ホワイトハウスのクリスマスビデオ」の英語がよく分からないとおっしゃるので。 シーン1 (でいいのでしょうか、シーラカンスさん) ブッシュ大統領 バーニー、バーニーの映画の時が来たぞ。さて、プロットはなんだい?(バーニーは…

足による投票 その2

「足による投票」で、こんなことを書きました。 地方政府は、豊かな(一人当たりの所得が高く)地方を作ろうとするとします。あくまで仮定です。 このような地方政府は、どんな政策を採るでしょうか?現在の住民を豊かにするという方法がありますが、これは…

経済政策の売り込み

「政策目標としての潜在成長率の政治的利点」のコメント欄でのお話の続きです。 経済学者は、いい経済政策、つまり国民の所得を上げたり、失業率を下げたり、所得の分配を改善したり、要するに国民を幸せにする経済政策を提案します。所謂、「シバキアゲ政策…

児童手当 その9

議論になっていた児童手当の増額で、動きがあるようです。 ねっしーさんのお話では(http://blogs.dion.ne.jp/mirainosharoushi/archives/4640513.html)3歳未満児に限って1.5倍から2倍にする案があるようです。現在は、一人目、二人目が月5,000円…

日本人の国際結婚は出産に結びついているのか?

「バツイチ日本人男性は、外国人女性に持てるのか?」、「バツイチ日本人女性は、外国人男性が嫌いなのか?」と、日本人の国際結婚を考えてきました。 結婚すれば、かなりの確率で子供が産まれます。 では、国際結婚した両親から産まれた子供はどれぐらいい…

バツイチ日本人女性は、外国人男性が嫌いなのか?

2004年に結婚した日本人女性は、689,510人いました。このうち初婚は585,218人、再婚は104,292人でした。女性でも意外に再婚が多いです。私の理解不足ですね。 さて、初婚女性と再婚女性では結婚のパターンに差があります。年齢の差…

バツイチ日本人男性は、外国人女性に持てるのか?

2004年に結婚した日本人男性は、711,813人いました。このうち初婚は585,447人、再婚は126,366人でした。意外に再婚が多いです。 さて、初婚男性と再婚男性では結婚のパターンに差があります。まあ、当たり前でしょう。 その中で結…

夕張市の症例研究 その3

「夕張市の症例研究 その2 足による投票」について 夕張市が、再建案を住民に説明しています。http://www.city.yubari.hokkaido.jp/cgi-bin/odb-get.exe?wit_template=AM020000 厳しい内容ですが、これがナショナルミニマムを割っているとは言えません。 小…

10月の貿易収支黒字幅は再び縮小

8月は貿易収支の黒字が2005年8月の2倍近いものになり、9月(速報)も貿易黒字が改善していました。2ヶ月続いて改善をしていたのですが、10月(速報)は、再び貿易黒字幅が縮小しました。2005年10月に比べ、24.8%の減少です。 「9月も…

「財政再建の第一歩」を踏み出す好機到来

「財政再建の第一歩」を踏み出すいい機会が巡ってきたようです。 最近の報道によると、2005年度の決算の剰余金が9千億円、2006年度の税収が予算を4兆円上回る見込みです。合計すると5兆円弱です。 緊急の支出もあるでしょうが、相当な余剰が生じ…

政策目標としての潜在成長率の政治的利点

経済の専門家であるecon-economeさんが、潜在成長率の引き上げを政策目標とすることについて議論を展開されています。(http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20061029) まことに、妥当なご議論だと思うのですが、惜しむらくは、政治的側面への考察が欠けて…

銀行の税金 その5

「銀行の税金 その3」で2006年3月の主要銀行の決算を紹介しました。 今度は2006年9月期決算が発表されました。3大金融グループの繰り延べ税金資産の変化と法人税等調整額の結果をご紹介します。また、今回は、法人税、住民税、事業税の額も追加…

都道府県の人口

都道府県の人口について考えて見ます。 複雑なことはしません。日本人を39歳以下と40歳以上に分けます。そして、各々の中で各都道府県の人口のウェイトを計算します。 結果はこんな風になりました。若年と書いたのは39歳以下、中高年と書いたのは40…

若者の就職-19年3月卒 その4

「若者の就職-19年3月卒 その3」で書いたように、日本全体では高校生に対する求人が求職を上回っています。ですから、もし卒業する学校から遠く離れたところに就職する気になれば、就職の口がないわけではありません。「若者の就職-19年3月卒 その…

若者の就職-19年3月卒 その3

「若者の就職-19年3月卒 その2-」で予告した高校生の地域別の事情の検討です。 まず、データから。 地域別に見た高校生の就職事情 1 (万人、倍)地域求人求職求人倍率求人超過全国284,959197,5191.4487,440北海道5,876…

若者の就職-19年3月卒 その2-

「若者の就職-18年3月卒最終-」で、18年3月卒業の学生、生徒の18年度末での就職状況を、書きました。 今度は19年3月卒業予定者の状況です。高校生が9月末、それ以外は10月1日の状況です。 データはここです。 大学生など、http://www.mhlw.…