「
若者の就職-18年3月卒最終-」で、18年3月卒業の学生、生徒の18年度末での就職状況を、書きました。
今度は19年3月卒業予定者の状況です。高校生が9月末、それ以外は10月1日の状況です。
データはここです。
大学生など、
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/11/h1110-3.html
高校生
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/11/h1110-2.html
こんな結果でした。
就職希望者数など(万人)学校の種類 | 卒業予定者 | 就職希望者 | 就職・内定者 | 求人 |
---|
大学 | 53.2 | 39.6 | 26.9 |
前年同期 | 55.5 | 41.8 | 27.5 |
前年最終 | 55.5 | 38.1 | 36.3 |
短大 | 9.3 | 7.4 | 2.4 |
前年同期 | 9.9 | 8.0 | 2.4 |
前年最終 | 9.9 | 7.4 | 6.7 |
高専 | 1.0 | 0.6 | 0.6 |
前年同期 | 1.0 | 0.5 | 0.5 |
前年最終 | 1.0 | 0.5 | 0.5 |
専修学校 | 28.1 | 26.5 | 12.5 |
前年同期 | 28.9 | 27.3 | 10.9 |
前年最終 | 28.9 | 26.4 | 24.2 |
高校 | | 19.8 | 9.6 | 28.5 |
前年同期 | | 19.7 | 8.7 | 23.6 |
前年最終 | | 18.2 | 17.4 | 29.3 |
計 | | 93.9 | 52.0 |
前年同期 | | 97.3 | 50.0 |
前年最終 | | 90.6 | 85.1 |
順番に見ていくと、まず、卒業予定者です。かなり減っています。昨年の同期と比べると大学生が2.3万人減少、短大が6千人減少、専門学校が8千人減少です。高校生は発表されていませんが、人口の動きから見て減っているはずです。大学生の減少幅が大きいのが特徴です。「
ご自身の勤め先の将来に不安を抱いていらっしゃる大学の先生方」も多いようですが、大学の経営が思いやられます。
次に、就職希望者です。これは、最初のうちは多く、採用・内定が進むにつれて減っていく傾向があります。
大学は、前年同期と比べると2万2千人減少です。卒業予定者が減った分減っている勘定です。しかし、前年の最終就職結果から見れば、まだ3万3千人多いので、採用が増えるかどうかです。多分大丈夫だとは思うのですが。仮にうまくいかなかったとすると、大学院への進学などに切り替え、最終的な希望者は減るでしょう。そうすると希望がかなった割合は、結果として高くなります。
短大は、昨年同期と比べると希望者自体が減っています。しかし、今の時点の希望者の数は、昨年の最終就職者の数を7千人上回っています。短大の採用は、大卒の採用の後というケースが多いようです。大卒市場で採用できなかった企業が短大生を雇おうとするかどうか。これがポイントです。うまくいかないときは、大学への編入、あるいは
専修学校に行くのかもしれません。
その
専修学校も短大とよく似た傾向です。希望者は前年の同期より9千人減り、昨年の最終就職者より、2万3千人多いという状況です。
高校生は、少し傾向が違います。卒業予定者が減っているにもかかわらず、就職希望者は昨年の同期より1千人だけですが、増えています。不況でいい就職口がなさそうなので進学していたのが、就職に戻って帰途という格好です。昨年の最終就職者を2万4千人上回っています。
なお、余計なことを書くと、これは、生徒や家族にとってはいいことです。ただ、大学、短大、
専修学校にとっては、厳しいことかもしれません。
さて、内定の状況です。
大学生は、前年同期に比べ6千人減っています。希望者が2万2千人減っているのですから、当然といえば当然です。内定率は68.1%で、前年同期を2.3ポイント上回っています。特に女子が3.5ポイント上回っています。
短大は内定者の数は前年と同じですが、希望者が減っている中では、内定率は上がっています。
専修学校は、前年同期と比べ、希望者が9千人減っているのに内定者は1万6千人増えています。内定率は46.9%で、7.7ポイントアップです。一番好転しているといってもいいかもしれません。
高校生は、希望者が1千人増えているだけなのに内定者は9千人増えています。内定率は48.4%で、4.4ポイントアップです。男子は55.2%で4.5ポイントアップ、女子は40.1%で3.8ポイントアップです。高卒の採用内定は9月16日からですから、これは第一希望への内定と見ていいでしょう。
「
若者の就職-19年3月卒 その1-」で書いたように、高卒の
求人倍率は、7月末の段階で久しぶりに1倍を超えていたのですが、今回の発表ではさらに上がり。1.44倍まで上がっています。求人が20万8千人から、28万5千人に増えたのが主な要因です。高校の先生方、
ハローワークの職員の努力の成果もあるでしょう。これは昨年の同期を5万人、21%上回る水準です。
ここに載ってこない大学院などもありますが、この表の範囲で考えると、就職希望者は、合計93.9万人で、前年の最終就職者、85万1千人より8万8千人多い水準です。採用が1割強増えるかどうかですが、何とか希望がかなってほしいものです。
もし、これくらい採用されると、「
これからの若者は職場を見つけられるか?その1」で書いた、必要な
それなりの職場に近づき、現在、不安定就労をしている若年者のチャンスも増えてきます。ぜひ、採用が増えてほしいものです。
次回、高校生の求人求職の地域バランスを考えてみたいと思っています。
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