2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

正規・非正規賃金格差縮小

「景気回復と労務管理 その2」で、こう書きました。 外部労働市場では、賃金は需給関係で決まります。需給が緩和すると急速に低くなり、タイトになると急速に上がります。内部労働市場も労働市場の需給の影響は受けますが、ある程度その影響を遮蔽すること…

社会人のための『新しいマクロ経済学』解説 その1

一橋大学の斎藤誠先生が書かれた『新しいマクロ経済学』(有斐閣)は学部レベルのマクロ経済学から上級のマクロ経済学に進むための橋渡しとなる教科書として評価の高い本です。 ここで、学部レベルのマクロ経済学というのは、IS-LM分析を軸としたケインズ…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その5

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その4」で検討した投入に対して報酬を与えるスキームには、他にも厄介な点があります。 単純に言えば、詐欺です。やや、学問的に言えばモニタリングの問題です。 大手介護サービス会社が、介護報酬を…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その4

この成功報酬によるインセンティブスキームの欠陥を防止する方法として、すぐに考えつく方法があります。それは、成果ではなく努力、あるいは投入に対して報酬を支払うことです。 就職のため、相当な支援が必要な人にも、民間事業者が必要なだけの支援を行い…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その3

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その2」について で示した、長期失業者の就職支援について補足です。 平均(%)標準偏差(%)変動係数民間事業者12.16.110.507ハローワーク34.68.780.254計46.77.…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その2

「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム」で取り上げた長期失業者の就職支援のインセンティブスキームについて、つらつら考えいたところ、どうも気になることがでてきました。 このインセンティブスキームは、努力すれば成果がなくても支払わ…

ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム

「市場化テスト その7」に関連する面白い議論がありました。 hamachanさんが、珍しく、新聞の社説をほめています。http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_5edd.html ハローワークの市場化テストに関する東京新聞の社説です。 「ハローワー…

医療従事者睡眠不足の「見える化」

こんなことをしたらどうでしょう。医療従事者はみなバッチをつける。 過去24時間、全然寝ていない場合・・・黒地に白でゼロ 過去24時間に2時間未満なら・・・・・・・赤地に白で2 過去24時間異4時間未満なら・・・・・・・黄地に白で4 夜勤後連続勤務…

介護危機

日経新聞の中村編集員が、「首都圏を直撃する『介護危機』」(http://www.nikkei.co.jp/neteye5/asakawa/index.html)で首都圏の介護労働者の賃金を引き上げるべきだと主張されています。 「高齢者の中でも、介護サービスの必要度が高くなる高齢単独世帯の20…

民法第772条 改正案 その7 (その5の訂正)

「民法第772条 改正案 その5 親子関係不存在」に、 誤りがありました。 謹んで訂正いたします。 「婚姻中又は離婚後300日以内に生まれた子供は,婚姻中の夫婦間にできた子(嫡出子)と推定され,仮に他の男性との間に生まれた子供であっても出生届を…

民法第772条 改正案 その6

「民法第772条 改正案 その5 親子関係不存在」で書いたように「推定が及ばない子」に就いてだけ、親子関係不存在の訴えを認めた論理は多分こういうことではないかと、想像します。 Ⅰ 元々、民法の規定というのは、離婚を前提にすると、こういうことなの…

シングルマザー その4

「シングルマザー その3」では、母子家庭の母の就業割合が極めて高いことを書きました。 では、その働いて得た収入は?こうです。http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou26/data15/h15boshi16-2-1.xls 常用雇用者で252万円。臨時・パートで1…

民法第772条 改正案 その5 親子関係不存在

「民法第772条 改正案 その4」に関連して。親子関係不存在の訴えについて補足を。 民法第772条第2項の推定を破るのは、普通の推定を破るのに比べて困難です。父だけができる嫡出否認の訴えと子供,父母,親子関係について直接身分上利害関係を有する…

長期雇用と職務給

東京電力常務の山崎雅男さんという方が、労働市場の流動化と職務給に関連する面白い発言をされています。(座談会「消費者であること財・サービスの提供者であることの二面性を考える」での発言。日本労働研究雑誌 2007年4月号) 「例えば日本人はレジの…

民法第772条 改正案 その4

「民法第772条 改正案 その3」では、民法を改正することについて考えてみたのですが、どうやら自民党のプロジェクトチームが、特例新法を作る案を纏めたようです。新聞報道ではいろいろな表現が使われており、良く実態が分かりません。 ただどうやら、民…

同一労働同一賃金

「労務屋@保守親父さん」が、こんなことを書かれています。 「市場メカニズムに信頼を寄せる八代氏とすれば、労働移動や価格決定にかかわる規制を撤廃すれば『流動性の高い職種別労働市場』が形成され、同一労働については同一賃金となり、若年層の非正規雇…

2007年福祉宇宙の旅 その1 基礎年金の源流を探る

「「2006年福祉宇宙の旅 その6」について」で、基礎年金の財源を税金とするか、保険料とするかについて書きました。 基礎年金の源流は、国民年金であると言って差し支えないと思います。この国民年金が国会に提案されたときにも当然議論になっています。…