ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その4

この成功報酬によるインセンティブスキームの欠陥を防止する方法として、すぐに考えつく方法があります。それは、成果ではなく努力、あるいは投入に対して報酬を支払うことです。

就職のため、相当な支援が必要な人にも、民間事業者が必要なだけの支援を行い、国は、その支援に要した経費プラスアルファを支払うことにするのです。

こうすれば、報酬が定額制ではありませんから、民間事業者はコストを掛けても、利益が上がります。民間事業者は、支援をするでしょう。

しかし、この方法にも問題があります。定額制でないため、民間事業者には、過剰な支援を行う誘因が存在します。

これを国が阻止するためには、国が本当に必要な支援は何かを知っている必要があります。しかし、「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム」で書いたように、「国と民間事業者との間には、経済学でいう情報の非対称性が、必然的に存在」します。国は特定の対象者に何がふさわしい支援が何かは、分からないのです。

医療で、過剰検査、過剰投薬などといわれることがありますが、同じような現象が発生するおそれがあるのです。

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