ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その5
「ハローワークの市場化テストとインセンティブスキーム その4」で検討した投入に対して報酬を与えるスキームには、他にも厄介な点があります。
単純に言えば、詐欺です。やや、学問的に言えばモニタリングの問題です。
大手介護サービス会社が、介護報酬を不当に受け取った事件がありました。介護サービスは、第三者にサービスを提供し、国に報酬を請求するという出来高払いのシステムなのです。質の高い仕事をやったことにして、過剰な請求をしていました。
国がサービスを受けるのであれば、サービスを受けたかどうかは分かります。しかし、第三者に対するサービスの場合には、それを何らかの形で確認しなければなりません。このモニタリングが弱いと、過大請求をする誘因になってしまいます。
さらに言えば、本社に悪意がなくとも、本社がきちんとモニタリングをしていなければ、支店レベルの業績を上げるため、支店で過大請求が行われる可能性があります。
不正請求が発覚したときは、何らかの制裁を加えるというシステムを作って、防止することは可能ですが、それが必ずしも有効でないことは、今回の件でも分かります。
業界大手だから、インチキはないとは言えないのです。
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