「
景気回復と労務管理 その2」で、こう書きました。
外部労働市場では、賃金は需給関係で決まります。需給が緩和すると急速に低くなり、タイトになると急速に上がります。内部労働市場も労働市場の需給の影響は受けますが、ある程度その影響を遮蔽することができます。
景気回復の動きの中で、特に若年層の需給がタイトになってきています。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査の18年の結果が出ています。その中で常用のフルタイム労働者を正社員・正職員とそれ以外に分けたものがあります。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z06/kekka1-10.html
これを見ると、男性について「正社員・正職員」と「
非正社員・正職員」の賃金格差差が縮まっていることが分かります。
次の表は、男性の「正社員・正職員」の賃金を100とした場合の男性の「
非正社員・正職員」の賃金です。
年齢 | 17年 | 18年 | 変化 |
---|
18・19 | 91 | 95 | -4 |
20から24 | 86 | 88 | -2 |
25から29 | 83 | 83 | ±0 |
30から34 | 77 | 78 | -1 |
35から39 | 69 | 66 | +3 |
40から44 | 60 | 61 | -1 |
45から49 | 56 | 59 | -3 |
50から54 | 54 | 54 | ±0 |
55から59 | 60 | 58 | +2 |
60から64 | 71 | 74 | -3 |
18・19歳が一番縮まっています。18年は95ですから、5%の差に過ぎません。17年には91でしたから格差は9%。格差がなくなったわけではありませんが、半分ほどになっています。20から24歳も2ポイント、30から34歳も1ポイント縮まっています。問題は35歳から39歳で、ここだけが3ポイント拡大しています。
やや意外なのは、45から49歳でも格差が縮まっていることです。
60歳から64歳で縮まっているのは、高年齢者雇用確保措置の義務化の影響でしょうか?
同じ記事で、こうも書きました。
低賃金の非正規労働者が多数いることを前提とした企業、業態は、労働市場がタイトになり低賃金では非正規労働者がいなくなると、経営困難に陥ります。
注意が必要です。
人気blogランキングでは「社会科学」の25位でした。今日も↓クリックをお願いします。
人気blogランキング