退職金、職域年金、天下り

まあ、公務員の特権として評判がはなはだ悪いシステムです。 これらに共通しているのは、退職後に支払われるものという点です。こういうのを止めて、退職前に仕事に見合った給与を払えばいいという声があるようですが、ちょっとどうかと思います。 一国民としての立場から言えば、公務員には、仕事に励んでもらわないと困ります。上司の指示に忠実に職務を果たしてもらわなければなりません。汚職など問題外です。 もちろん仕事に生き甲斐を感じて、最後までかなりの水準の努力をする人もいるでしょう(http://bewaad.com/20061211.html#p01)。高級官僚にはそうあって欲しい。しかし、性善説に立って制度設計するというのはどうも。 もう一つ、定年制がある限り、公務員といえども退職後の生活を考えざるを得ない。 老後の保障がなければ、仕事より再就職先探しに熱心になりかねない。しかも、ある程度年齢が高くなり老後のことも考えなければと思うような人は、比較的重要なポストに就いている可能性が高いのです。そういう人が仕事に励まず、再就職先の確保ばかり考えているというのは、困ります。権限の大きな人が汚職をするのは、ますます困る。 であれば、最後までまじめに働けば、退職金も出すし、職域年金も出すし、天下りも役所が面倒見てやる。そういう仕組みは、ある程度は合理性があるのでは? もちろん汚職をすれば退職金は出ないし、職域年金部分は出ない、天下りもできない。こういうものを全部、退職の時まで人質に取っておく、これも一つのやり方では? 働いている間に全部払ってしまうとこういう効果は出せないのです。最後まで、役所に大きく依存させておいてこそ、役所への忠誠が期待できるのです。 役所がやることが国家、国民のためになるかどうかということはありますが、それは役所という組織をどう国民がコントロールするかという別の問題です。 人気blogランキングでは「社会科学」の24位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング