「
銀行の税金 その3」で2006年3月の主要銀行の決算を紹介しました。
今度は2006年9月期決算が発表されました。3大金融グループの
繰り延べ税金資産の変化と
法人税等調整額の結果をご紹介します。また、今回は、
法人税、住民税、事業税の額も追加します。なおグループ(連結決算)で見ていますので、銀行以外のグループ企業も含まれています。
繰り延べ税金資産(億円、%)年 | 三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | 2005年3月末 | 16,075 | 10,369 | 15,982 |
2005年度中の増減 | △9,024 | △6,133 | △5,465 |
2006年3月末 | 7,051 | 4,236 | 10,516 |
2006年度前半の増減 | △612 | △452 | △284 | 2006年9月末 | 6,439 | 3,784 | 10,232 |
(なお、この表の額は繰り延べ税金負債を相殺する前のものです。)
中間決算ですが、
繰り延べ税金資産は少しですが減っています。
銀行の税金 その3でこう書きました。
17年度のように利益がでるかどうか分かりませんが、三菱UFJとみずほは、うまくいけば18年度末には、繰り延べ税金資産がなくなるかもしれません。そうすると19年度には通常ベースで法人税などを支払うことになります。税収が増えるわけですから、歓迎です。三井住友は、少し遅れそうです。
申し訳ないのですが、これは不正確でした。少し情報が不足していました。確かに、税法上の決算で赤字になれば過去に先払いした税金は取り返せるのですが、税法上の決算で、さらに大きな赤字が出ていたようです。この場合繰越損失が出ますので、これが解消されるまでは
法人税は払わなくてすみます。
繰越欠損金(億円、%)年 | 三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | 2006年3月末 | 32,000 | 44,000 | 26,500 |
(2006年12月14日
毎日新聞からのデータを追加しました。)
法人税の納税が始まるのはまだ先のようです。
法人税等調整額(億円、%)年 | 三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | 2005年3月期 | 4,891 | 2,353 | 529 |
2006年3月期 | 5,250 | 1,850 | 2,269 |
2006年9月期 | 2,419 | 1,870 | 862 |
3グループ合計すると、5,151億円になります。
法人税、住民税、事業税(億円)年 | 三菱UFJ | みずほ | 三井住友 | 2005年3月期 | 872 | 198 | 217 |
2006年3月期 | 1,089 | 640 | 698 |
2006年9月期 | 511 | 196 | 423 |
3グループ合計納税額は、2005年3月期 1,289億円、2006年3月期 2,427億円と増えています。2006年9月期は1,130億円です。昨年度程度は納税が期待できるようです。
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