生活保護

総合行政の非効率-選択肢があるばかりに-

「「就職後も生活保護8割」は、そんなに問題でしょうか?」で取り上げた生活保護について hamachanさんが産経新聞大阪社会部の「『生活保護が危ない』」を紹介されています。 これと総合行政が何の関係があるのかといいますと、日本の地方公共団体は、業務…

「就職後も生活保護8割」は、そんなに問題でしょうか?

hamachanさんが、「『就職後も生活保護』8割」で取り上げられた、読売新聞の記事。かなり違和感を抱きました。 就労支援事業をどう評価するかという点です。 記事では、就職して直ちに生活保護から抜け出せたかどうかでこの事業を評価をしている様子なので…

「最低賃金 2007年その1」について

「最低賃金 2007年その1」で最低賃金と生活保護のバランスについて少し書きました。 その後、最低賃金の決定に当たって、生活保護とのバランスを考慮するという最低賃金法改正法案が国会に出されたのですが、成立せず、継続審議になりました。 これについて…

「2006年福祉宇宙の旅 その6」について

「2006年福祉宇宙の旅 その6」に、政治学者の卵さんから、こんなコメントをいただいていました。 「高齢者の無年金で生活保護を受給している世帯の多さを考えると,基礎年金は消費税でもなんでも財源にして自動的にあげたほうが安い気もしますね(という…

最低賃金 2007年その1

民主党の最低賃金法改正案(http://www.dpj.or.jp/news/files/houan.pdf)について、hamachanさんが次のように書かれています(http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_c3f9.html)。 「新聞紙上では最低賃金を一律1000円にすると報じら…

2006年福祉宇宙の旅 その6

「2006年福祉宇宙の旅 その4」で書いた所得に関係のない基準による給付によって貧困に対応すると言うのは奇妙な政策であると考えられるかもしれません。 しかし、現在の生活保護の実態を見ると、一見したほど荒唐無稽でもないと思えます。 まず、保護を…

2006年福祉宇宙の旅 その5

「2006年福祉宇宙の旅 その4」までで、エネルギーが切れてきましたので、少し休んで補給をします。 このシリーズはhamachanさんのコメントに答える形で始まっているのですが、hamachanさんのコメントにra-toyoさんが質問をされています(http://inquiry.…

2006年福祉宇宙の旅 その4

「2006年福祉宇宙の旅 その3」で書いたように勤労所得ゼロの世帯を明確に把握できないとしたらどうすればいいのか? 一つの回答が、貧困世帯に限定せずに、所得以外の基準に基づいて定額の給付、つまり所得によっては金額が変わらない給付を行うことで…

2006年福祉宇宙の旅 その3

「2006年福祉宇宙の旅 その2」で説明した、最低生活保障とメイク ワーク ペイを不完全ながら両立させようとした仕組みを作った場合のもう一つの大きな問題は、勤労所得ゼロの世帯の扱いです。 勤労所得ゼロと言う世帯には幾つかの類型があります。 一つ…

2006年福祉宇宙の旅 その2

「2006年福祉宇宙の旅 その1」で説明した「低所得世帯に最低生活費と所得との差額を支給する」という手法には、大きな欠陥がありました。勤労へのインセンティブがない、言い換えればメイク ワーク ペイにならないことです。 この欠陥をある程度是正す…

2006年福祉宇宙の旅 その1

このエントリーのタイトルは、「生活保護と最低賃金 その2」に寄せられたhamachanさんのコメントに由来します。内容も繋がっています。 貧困を減らすための対策には、さまざまなものがありますが、社会福祉、社会扶助として金銭を給付するという範囲で、代…

「生活保護と最低賃金 その1」へのhamachanさんのコメントに対するお返事

「生活保護と最低賃金 その1」にhamachanさんから次ぎのようなコメントをいただきました。 「刑事罰にはそもそも道徳的倫理的に許されない刑事罰と、どっちもあり得るけれども、社会的を円滑に動かすためにはこっちにしておいてそっちをやったら罰を与えま…

障害者と年金

「「高齢期はエッフェル塔で」について」のコメント欄で、お約束したとおり障害者年金について調べてみました。 年金は国民年金の場合、厚生年金の場合、共済年金の場合と分かれているのですが、基本は同じです。一番単純な国民年金で考えてみます。 20歳…

hamachanさん、ノルマンディー上陸作戦決行

といっても、別にhamachanさんが夏休みを利用して、フランスへ行かれたというわけではありません。 「オベリスクとエッフェル塔」(http://takamasa.at.webry.info/200607/article_30.html)で始まったhamachanさんとのやりとり(対英戦)を完了させないまま…

生活保護と最低賃金 その2

今回取り上げるのは、本田先生が「あたりまえのこと」のコメント欄で主張されている、いわゆる「買い叩き」の問題です。 まず、前提として、労働者は、労働サービスを売り急ぐ傾向があるのは確かです。 ひとつには、生きていくためには、毎日、毎日、衣食住…

生活保護と最低賃金 その1

「「あたりまえのこと」でしょうか?」に、本田先生からお返事をいただきました。(「あたりまえのこと」のコメント欄をご覧ください。)また、質問もいただきました。単なる質問というよりも反論というほうが正確かもしれません。 さて、「低生産性の労働者…

「あたりまえのこと」でしょうか?

本田先生が、「もじれの日々」で、こんな御主張をなさっています「あたりまえのこと」。 注 本田先生が「もじれの日々」を非公開にさましたので、リンクが切れています。(2006年8月29日追記) 「オベリスクとエッフェル塔」で始まったhamachanさんと…

「高齢期はエッフェル塔で」について

「高齢期はエッフェル塔で」にhamachanさんから「メイク・ワーク・ペイ その3」というコメントをいただきました。hamachanさんのご提案の全体像について、すぐにお返事をするには私の考えが煮詰まっていませんので、少し時間をかけて考えてみたいと思います…

高齢期はエッフェル塔で

「「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」について」について、コメント欄でhamachanさんとやりとりをしました。いくつか意見が違うのですが、今回は高齢になって働くことができなくなった時期の対応について、私の意見を述べます。 まず、高…

「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」について

「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」に、またまた、hamachanさんからコメントをいただきました。堂々巡りではなく、一歩一歩、前進しています。 私の今の理解では、hamachanさんはこういう風に考えていらっしゃるようです。 まず、目標で…

「「オベリスクとエッフェル塔」について」について

「「オベリスクとエッフェル塔」について」にhamachanさんからコメントと「メイク・ワーク・ペイ」というTBをいただきました。 どうも、誤解があったようで、論点二つが混線していたようです。整理してみます。 一つ目の論点。私の論点です。健康で最低限…

「オベリスクとエッフェル塔」について

「オベリスクとエッフェル塔」に、hamachanさんから、コメントをいただきました。 何か、誤解があるような気がします。 現在の日本の生活保護制度は普遍的なものであることは、承知しています。そして、それに賛成です。運用には問題があるのかもしれません…

オベリスクとエッフェル塔

パリにあるオベリスクとエッフェル塔どちらも高いものですが、構造は全く違います。オベリスクは岩から切り出した一枚岩。組み立てたものではありません。エッフェル塔は鋼材を複雑に組み立てたもの。どちらが高いかと問われれば、もちろんエッフェル塔の方…

毎日新聞と生活保護

毎日新聞が社説で生活保護を取り上げています(http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060509k0000m070134000c.html)。なかなか立派な社説だと思うのですが、少し気になるところがあります。 「地域や年齢によっては、支給額が老齢基礎年金を…

「生活保護に関する統計」について

この記事は「生活保護に関する統計」と同様に、単に「生活保護」の最新データを提供するだけのものです。 福祉行政報告例です。17年10月分の概数です。表1をご覧ください。http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/fukushi/m05/10.html 教育扶…

生活保護に関する統計

本田先生のブログのエントリー(http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/20060103)のコメント欄で「生活保護」が議論されています。これは単に「生活保護」の最新データを提供するだけのものです。 福祉行政報告例です。17年9月分の概数です。表1をご覧くださ…

児童手当 その6

今日は、企業の外への影響を考えてみたいと思います。 ひとつは生活水準の格差の問題です。子供のいる世帯とそうでない世帯との比較は、「児童手当 その2」でやりましたので、子のいる世帯同士の比較です。 世帯主、男性という意味ではなくその世帯でもっと…