「「オベリスクとエッフェル塔」について」について

「オベリスクとエッフェル塔」について」にhamachanさんからコメントと「メイク・ワーク・ペイ」というTBをいただきました。

どうも、誤解があったようで、論点二つが混線していたようです。整理してみます。

一つ目の論点。私の論点です。健康で最低限度の生活を保障するために、例えば、最低賃金生活保護など単独の政策・制度だけで足りるようにすることは可能か?また望ましいか?

二つ目の論点。hamachanさんの論点です。(だろうと思います。)制度設計に当たり「メイク・ワーク・ペイ」の観点を取り入れるべきか?

おそらくこれに関連する潜在的な論点があります。「メイク・ワーク・ペイ」のための方策は?その実施にあたって生ずる問題は?

私の答えは、こうです。

第一の論点。ノー。ノー。

hamachanさんは、この問題は特に取り上げられていない(と思いますが)。

第二の論点。イエス。この点では意見一致だと思います。

で、この問題解決のための方策です。いろいろなケースがあるのですが、典型的なものを一つ取り上げます。働いていて賃金を受け取っている(15万円とします)が、生活保護水準(20万円とします)に達しないケース。

このケースで単純に差額の5万円支給するとします。(実際の制度はこうではありません。)すると、働かなくても20万円、働いても20万円の収入です。すると、hamachanさんがおっしゃるように働かないことを選ぶ人が増えていく。すると、生活保護費はどんどん増えていってしまいます。

それでは困るので、ワークをペイするようにしなければならない。答えは単純で、15万円給料をえた場合には、例えば、その3分の2の収入があったと見なすことにする。この場合では10万円です。従って給付額は20万円-10万円=10万円。これと実際の給料15万円を合わせると25万円。働くことはペイするわけです。(かなり単純化しています。働いても5万円しか収入が増えないとすると、それなら働かないという人がでてきます。)

このとき、問題が発生します。25万円という収入は、最低限度20万円よりも高い。にもかかわらず給付が行われています。「おかしいじゃないか。」という意見が給付の費用を負担する方からは出てくる可能性があります。

働いて22万円の収入しかえていない人がいるのですからある意味で当然です。働いて22万円しか収入がないひとからは、不満がでるでしょう。

これを抑えるか、我慢してもらえるかどうかが、「メイク・ワーク・ペイ」の成否の鍵です。

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