2006年福祉宇宙の旅 その4

2006年福祉宇宙の旅 その3」で書いたように勤労所得ゼロの世帯を明確に把握できないとしたらどうすればいいのか?

一つの回答が、貧困世帯に限定せずに、所得以外の基準に基づいて定額の給付、つまり所得によっては金額が変わらない給付を行うことです。

具体的な例を挙げると、一定年齢以上の方がいる世帯に定額の給付を行う老齢年金、逆に児童のいる世帯に児童の数に応じて支給する児童手当、障害者のいる世帯に対する手当、年金などが考えられます。

この場合、不十分ではありますが、労働能力がない世帯に対して上乗せ給付になるので生活を支えることができますし、基準が明確なので労働能力がない、あるいは求職活動をしているという偽装に意味がなくなります。

また、所得が増えても給付が減ることはないのでメイク ワーク ペイにも繋がります。ただし、働いてもそれほど所得が増えないから働かない野ではなく、これだけ給付があるならこれ以上の所得は望まないというタイプの勤労意欲の減退が起こる可能性はあります。

なお、この場合の給付対象は貧困者に限るわけではないので、給付額が大きくなるという問題があります。給付そのものにそのような多額の支出を行う合理的な理由が必要なのは言うまでもありません。

一方で、貧困世帯に限らない給付だという点で、スティグマが発生しにくく、給付を受けるべき世帯が給付を受けることを忌避する問題は避けられます。

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