「就職後も生活保護8割」は、そんなに問題でしょうか?

hamachanさんが、「『就職後も生活保護』8割」で取り上げられた、読売新聞の記事。かなり違和感を抱きました。

就労支援事業をどう評価するかという点です。

記事では、就職して直ちに生活保護から抜け出せたかどうかでこの事業を評価をしている様子なのですが、やや疑問。

働けるような生活習慣、働いてお金を稼ぐという意識を作り上げ(おそらくは福祉事務所で支援をしているのでしょう。)、それからこの事業を始め、就職することによって、徐々に働くという習慣を身につけ、仕事に慣れていくのだろうと思います。釧路市の例は「こちら」。

このような場合、最初からフルタイムでは働けない場合もあるでしょう。長く働いていないと体力も落ちているかもしれません。

働き続けているうちに、体が仕事になれてきたり、技能も身に付くこともあるでしょう。パートタイムの仕事から始めて、フルタイムに移行していくというコースもあるでしょう。賃金も勤務を続けるうちに上がって行くかもしれません。

雇う時は、あまり高い賃金を約束せず、しばらく様子を見てから賃金を決めるという例もあります。また、単に生活保護を受けていただけと言うよりも、受給しながら働いていたという実績のあった方が、転職のときに有利なのではないかと思います。

こういった事業は、就職前、就職直後で判断するのではなく、就職後2年や3年はフォローして、その結果で判断していくべきでしょう。就職直後は生活保護の廃止につながらなくても、1年後あるいは2年後に保護廃止でも、この事業の効果はあったと考えるべきでしょう。逆に、直後には保護廃止になっていたとしても、すぐに失業してしまえば意味はありません。

おそらく、この就労支援は難しい仕事だろうと思います。期間で保護廃止という完璧な成果を上げなければだめ、としてしまうと担当する人の志気がくじかれてしまいます。じっくり取り組むことを認めるべきです。

また、hamachanさんが気にされている母子家庭については、特別な性格も考えるべきです。母子家庭のお子さんは、1年たてば1歳分成長します。たとえパートタイムでしか母親が働けず、直ちに保護廃止にならなくとも、子供が高校を出て働き出せば、収入は増えます。高卒の初任給で家族を養うことは難しいでしょう。(どこの企業も、高卒初任給は一人分の生活費と考えているはずです。)しかし、時間がたち、給料が上がれば保護からの脱却ができる可能性は大きいでしょう。

母子家庭については、母親より、むしろ、子供が将来自立できるようにすることを優先して考えればいいのではないかと思います。どうしたって、子供のほうが春秋に富んでいるのですから。世代を超えた貧困の連鎖を作らないことが重要です。

子供が小さいうちはパートというのは、普通の家庭でもよくあることですし。

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