「日銀政策委員会のみなさま、交易条件を考えなくていいのでしょうか?」の補足

日銀政策委員会のみなさま、交易条件を考えなくていいのでしょうか?」を、少し補足しておきます。 日銀政策委員会の議事要旨を引用します。順番は少し変えてあります。 「生産について、委員は、増加を続けており、先行きも、内外需の増加を背景に、増加を続けていく可能性が高いとの認識を共有した。」 「雇用・所得面について、委員は、労働市場の需給は引き締まり傾向を続け、フルタイム労働者を含め雇用者数が着実に増加しているもとで、雇用者所得も緩やかに増加を続けているとの認識を共有した。」 「個人消費について、委員は、増加基調にあり、先行きについても、雇用者所得の緩やかな増加等を背景に、増加を続ける可能性が高いとの見方を共有した。」 引用終わり。 要するに、生産拡大→労働市場のタイト化→雇用の増加・賃金の上昇=雇用者所得の増加→消費の増加という流れを想定していると考えていいでしょう。中間を省略すると、生産拡大→消費拡大ということになります。 交易条件の悪化は、生産は拡大しても所得はそれほどには伸びず、したがって消費もそれほどは伸びないということを意味しています。これを日銀政策委員会は見逃しているのではないかと思います。 これ以上交易条件が悪化することはないというなら別ですが。 なお、消費は勤労者世帯だけがするものではなく、他の世帯の所得の伸びも消費に影響しますが、この点、政策委員会の消費の判断は雇用者所得にウェイトを置きすぎているきらいがあります。経済全体の消費の動向を議論するなら、経済全体の所得の動向を踏まえるべきです。 人気blogランキングでは「社会科学」の17位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング