汝殺すなかれ

日本経済新聞の春原編集員が靖国問題に対するアメリカの「戸惑い」について評論されています(http://www.nikkei.co.jp/neteye5/sunohara/index.html)。

なかなかいい論説だと思いつつ、ふとこんなことを考えました。

東京裁判A級戦犯を死刑にしたことが今日の問題の遠因であることを、アメリカの外交サークルにいる人々は気がついているだろうか?

靖国神社に祀られるのは戦死した人か、それに準ずる人の魂です。有期刑にしておき、出獄した後、死んだとしたら、いくら何でも祀られなかったでしょう。(獄死していたらどうなっていたかという疑問はありますが。)

死んだ人間を、現世の人間はもはやどうこうすることはできません。死者を完全に忘れ去ることができればいいのですが、そうも行かないのが人間です。死者への対応に宗教が絡んでくる可能性は大いにあります。そして、宗教は、ただでさえ、政治的に非常に厄介なものになるおそれがあります。

政治的な理由に基づく行為を裁き、死刑にすれば、政治と宗教がもっとも厄介な形で結びつく可能性があります。遠い慮りが必要です。

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