法律

民法第772条 改正案 その1

「前回」こういう改正案を考えてみたのですが、ちょっとまずいことに気がつきました。 第772条 1 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は夫の死亡の日から三百日以内に産まれた子は、婚姻中に懐胎し…

民法第772条 春霞さんの案

「民法第772条 春霞さんへのお答え」の元になったやりとりを基礎に春霞さんのご意見を条文化してみました。 多分、こんなふうになるはずです。なお、素人が書いた条文ですから正確な書き方にはなっていないと思います。 第772条 1 妻が婚姻中に懐胎し…

民法第772条 春霞さんへのお答え

「「民法第772条 いかにして真実を安く手に入れるか」に関連して、春霞さんのエントリ(http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-299.html)にコメントをつけさせていただいていたのですが、少し長くなってきましたので、勝手ながらこちらで…

hamachanさんのコメントに対するお返事 その3

「hamachanさんのコメントに対するお返事 その2」では、hamachanさん(実はhamachanさんの本名、お仕事が分かるのでhamachanこと○○さんとしたいのですが、許可を得ていないので、こういう表現で。)との一致点を書きました。 今回は不一致点と言うことです…

hamachanさんのコメントに対するお返事 その2

「hamachanさんのコメントに対するお返事」に対して、再びhamachanさんから丁寧なコメントをいただきました。 雇用保護を巡る議論なのですが、いくつかの一致点と一致しない点があります。 まず、第一の一致点です。 「本田先生への回答」のコメント欄で議論…

hamachanさんのコメントに対するお返事

「雇用保護 その7」での私の提案についてhamachanさんからコメントをいただきました。 コメントをいただいて、提案に少し説明を加える必要があることが分かりました。 まず、私は、何らかの立法を行うことは考えていません。現行法の下で、企業と労働者が契…

雇用保護 その7

さて、有期契約の問題です。 有期契約を反復更新していた場合には、最高裁が一定の場合の雇い止め(更新拒否)について、解雇に関する法理を類推適用すべきだとしています。 企業側から見た場合、有期契約の利点は、労働者を一定期間拘束できることと契約期…

雇用保護 その6

「雇用保護 その5」の続きです。 裁判官の判断の基礎になっているのは、ある意味では常識です。 このような裁判は、私の知る限りでは雇用契約や労働契約に整理解雇の条件が定められていないときに行われています。仮に、労働協約で、整理解雇をできる場合、…

雇用保護 その5

「雇用保護 その4」の続きです。 長期雇用には企業の側にも労働者の側にもそれなりのメリットがあることは認められています。つまり、社会全体としてもメリットがあるわけです。 この代表的な例としては、こんなものがあります。 熟練工の養成、技能形成が…

雇用保護 その4

「雇用保護 その3」の続きです。 解雇や、整理解雇に対して規制がかかっていることの意味を考えてみたいと思います。 話が、一見すると何の関係もなさそうな方向へ進みますが、しばらくおつきあい下さい。 皆さん、「囚人のジレンマ」という話をご存じでし…

雇用保護 その3

「雇用保護 その2」について さて、整理解雇の場合、有名な判断基準があります。次の四つです。いずれも抽象的で、実際に裁判になってみないとどんな判断が下されるか、予想がつかないと批判する方がいます。全部満たさなければならないのか、全体として判…

雇用保護 その2

「雇用保護 その1」の続きです。 さて、議論を続ける前に、ここで補足を。 労働基準法や最高裁の判例で、普通解雇の権利の規制が行われている意味を少し。 まず、ここで規制されているのは、経営上の理由による解雇には限りません。企業の秩序を乱したとか…

雇用保護 その1

「もじれる先生へのアマチュアの異見」で、雇用保護法制について触れたので、ついでに。 雇用保護法制を弱めることが、格差是正の手段として提唱されているのですが、では現実の法制、特に解雇の規制はどうなっているのか?気になったので調べてみました。最…

一般に公正妥当と認められる逸失利益? その4

「一般に公正妥当と認められる逸失利益? その3」の続きです。 最初に、bewaadさんが、「一般に公正妥当と認められる逸失利益とは 改」http://bewaad.com/20050619.html で、修正情報を提供されていることをお知らせします。 実は今回bewaadさんの最初のエ…

一般に公正妥当と認められる逸失利益? その3

「一般に公正妥当と認められる逸失利益? その2」の続きです。 さて、裁判所が賃金構造基本統計調査の一般労働者、つまりフルタイム労働者を取っていることは妥当なのでしょうか。 男性についてはパートタイム労働者の数は未だ少ないのですが、女性の場合に…

一般に公正妥当と認められる逸失利益? その2

「一般に公正妥当と認められる逸失利益? その1」の続きです。 平均賃金について考えてみます。 裁判所の考え方の基礎は、被害者が将来得る賃金を適当な割引率で割り引いて、現在補償されるべき逸失利益を計算するということのようです。多分別に様々な調整…