2013-01-01から1年間の記事一覧

整理解雇の金銭解決も強制されるべきではない

解雇の金銭解決、つまり、国の決めた金銭を支払えば、解雇ができるようにするというシステムは、妥当な社会的ルールだろうか?「整理解雇は禁止されるべきである」で書いた整理解雇の場合について考えてみたい。 具体的なルールがまだ提案されていないので議…

整理解雇は禁止されるべきである

「法律ではそうなっているかもしれないけれど」で、英米法や大陸法の歴史に絡めて解雇権乱用法理の話をしましたが、hamachanの「ジョブレス解雇に一番必要な規制はなにか?」によると「EUでは全加盟国に整理解雇時の労使協議を義務づけているのですし、国…

インフレターゲット政策の落とし穴

「インフレターゲット政策の理論と予想 その2」で書いたようなインフレターゲット政策が効果を上げていくとすれば、気になることがあります。 一般的には、長期名目金利と長期時間選好率、長期期待インフレ率の間にはつぎのような関係が成り立つことが望ま…

デフレは良くないと専門家が考えている理由

「消費者物価指数 22年4月」で、物価指数の計算の解説をしました。今回は経済学の理論的な話をしたいと思います。 デフレを物価の下落という意味で使うと、物価が下がれば生活費が下がって、暮らしやすくなるのだから、そう悪くはないと感じている人も多いだ…

貿易の利益

「もう少しがんばりましょう、日経新聞」で、交易利得の説明をしましたが、よく似た言葉に貿易の利益があります。 今、二つの国、A国とE国があるとしよう。便宜上、労働者の数はどちらの国も120人であるとする。また、二つの国は同じ財、X財とY財を生産して…

インフレターゲット政策の理論と予想 その2

5 「インフレターゲット政策の理論と予想 その1」の①の予想が成立した場合、外国為替市場、株式市場で何が起こるか? (ア)外国為替レート 次の二つのケースが考えられる。 ① 円安になる。(インフレターゲット論者の想定) ② 円安にならない。 現在の円安(…

インフレターゲット政策の理論と予想 その1

インフレターゲット政策には、いかがわしさと分かりにくさが付きまといます。 いかがわししく感じられるのは、消費者の立場からはよくないと感じられるインフレをわざと起こそうとしている、あるいはバブルを起こそうとしているといった感じを持たれるからで…

待機児童解消策

最近、でもないのかもしれないが、奇妙な議論があるらしい。待機児童をなくすには、保育料を上げればいいというのだ。 保育サービス需要の価格弾力性は、それほど大きくないように思える(自信はない。)が、価格を上げれば需要が減るのは確かで、大幅に値上…

民主党の新年金制度案(5) 偽装被用者

「民主党の新年金制度案(3) 所得の範囲」では、被用者と自営業者で扱いが違うことを示しましたが、こういう風に被保険者を二つに分けると、偽装被用者が発生するかもしれません。 たとえば、1年に1月だけアルバイトをして「私は被用者です。」と主張しま…

早期退職

使用者が労働者に、仕事をやりぬくか、給料と退職金をとるかの二者択一を迫るというのも、なんだか妙な話だなぁ、というのが最初の感想です。普通は、「ちゃんと働いてくださいね、そしたら給料や退職金払いますから」と言うものです。 そういうことをしてい…

「企業戦士」って言わないで。

読売新聞の報道によると、安倍自民党総裁は、22日午前の自民党役員会で、「企業戦士として世界で戦っていた方々がああいう形で命を落とすことは、痛恨の極みだ」と述べたそうです。さらに「全ての責任はテロリストにある。世界の国々と連携してテロと戦っ…

計量経済学と公的統計

公的統計の調査票情報を利用して、計量経済学の手法で分析を行うということがよくおこなわれている。 これには、根本的な限界がある。政府の調査は基本的には、どうなっているか、何が起こっているかを統計表により示すことを目標にしている。その対象は、原…

参議院選挙の戦略

産経新聞によると、民主党の海江田万里代表が2013年1月4日昼、記者会見し、夏の参院選に挙党態勢で取り組み、党の再建を図る考えを強調した。「参院選に全力を傾け、立ち直りの年にする。自民党と公明党の議席を一つでも少なくさせる」と述べたそうです。 …

労働組合の「浮気しますよ」戦略

「連合総研『政策決定プロセスを検証する~政権交代から3年』」で、hamachanが次のように書いています。 「仕分け大好き」平成維新の会風の新自由主義派、鳩山的ふわふわ型「市民」自由主義派、そしてアメリカ語のリベラリズム(=ヨーロッパでは社民主義)…