早期退職

使用者が労働者に、仕事をやりぬくか、給料と退職金をとるかの二者択一を迫るというのも、なんだか妙な話だなぁ、というのが最初の感想です。普通は、「ちゃんと働いてくださいね、そしたら給料や退職金払いますから」と言うものです。

そういうことをしているのだという自覚があったのか、疑問ですが、労働組合からは指摘があったようなので、遅くともその時点では、理解できていたはずです。

それでも、労働者が辞めることはないと考えていたのなら、労働者の気持ちを理解できていなかったということで、いささか問題があるでしょう。

長期雇用の労働者というのは、使用者側が本当に困っているなら、社会的にみてやむを得ない事情があるなら、多少の無理は聞いてくれます。ただし、それは今後の雇用が継続するからです。退職というのはもはや雇用関係が切れるわけですから、そういう無理は利きません。これぐらい、理解できないのかなぁと、これまた感想です。もちろん、退職後に再雇用したり、再就職をあっせんしたりすれば別です。天下りがなくせば、定年直前の公務員に対するコントロール能力は低下するでしょう。

そもそも、退職金を受け取る権利というのは、前々からの約束で、長い間勤務した場合に得られるものです。長い間にはいろいろ苦労もあるわけで、減額されるというのは納得がいかないでしょう。

そう簡単に変えていいものではありませんし、一方的に変えるなら細心の注意を払うべきでしょう。納得のいくような説明も必要です。

踏み絵を踏ませるような仕組みを作っておいて、退職者が出たら、けしからん、働き続けろと言い出しても、あまり説得力がないような気がします。

そんな仕組みを作って、踏み絵を踏むようせまったら、労働者に見限られても仕方がないでしょう。まして、使用者側の動機が金の節約であるなら、なおさらです。自分が金を大事にして、労働者には金のことを考えるなというのは、矛盾しているとみられても仕方がないでしょう。言い分はいろいろあるのでしょうが。

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