待機児童解消策

最近、でもないのかもしれないが、奇妙な議論があるらしい。待機児童をなくすには、保育料を上げればいいというのだ。

保育サービス需要の価格弾力性は、それほど大きくないように思える(自信はない。)が、価格を上げれば需要が減るのは確かで、大幅に値上げすれば、需要は減るだろう。価格を上げると、もうひとつ供給も増えるはずだが、こちらも制度的な要因があるようなので、自信を持ってこうなるとは言い切れない。供給が減ることはないだろうと思う。

経済学の知見に従い、インセンティブを利用して適切な仕組みを作り、問題を解決できれば大いに意義がある。問題を取り違えない限り。

しかし、この場合、問題は待機児童が多いことなのだろうか?違うのではないか?保育サービスへのニーズ、普通の社会人から見ても必要性が高いニーズをどのようにして満たすか、抽象的になるが、経済学的な言葉を使えば、社会的な厚生をいかにして高めるかが解くべき問題であるはずだ。保育サービスの価格を上げるだけでは、切実な保育サービスへのニーズを持ちながら所得の低い家庭が置き去りにされてしまう。

この問題を解くためには、社会的に見て妥当な保育サービスへのニーズを、金の裏打ちのあるデマンドに変え、このデマンドを満たすようなサプライが出てくるような仕組みを作ることが必要だ。そうすれば、社会的にみて望ましい資源配分が行われるようになる。

経済学者には、そのためのアイディアを出してほしい。

人気blogランキングでは「社会科学」の25位でした。

今日も↓クリックをお願いします。

人気blogランキング