「「国債償還費」へのご質問に対するお返事」について
「「国債償還費」へのご質問に対するお返事」について、cloudyさんから追加質問をいただきましたので、お答えします。
政府が、毎年発表している一般会計の概要となるべく一致させるという方向でお考えであるとして、お答えします。
次のようにされるといいと思います。
1 「一般歳出等(一般歳出+地方交付税等交付金など)」の初期値を国債整理基金への繰入額を差し引いたものにすること。
2 歳出欄に新たに「国債整理基金への繰入額」という項目を作ること。
3 「国債整理基金への繰入額」は前前年度末の国債残高の1.6%とすること(17年度の繰入額は15年度末の残高の1.6%とすると言うことです。)
4 歳出合計という欄を作ること。こうすると政府の一般会計予算の歳出合計とほぼ一致するので分かりやすくなります。
5 債務残高を「普通国債残高」とすること。
6 「解説」に残高計算に当たっては、次のような仮定を置いていることを明示すること。
・国債整理基金への繰入額と同じ額が整理基金によって償却される。
・整理基金への特別の繰り入れなど任意の償却は行われない。
6 やはり「解説」で「5の仮定は現実には満たされないことがあり、その場合には現実の残高が試算値と違うことがあること。ただし、それはインフレケースでもデフレケースでも同じ違いとなること。」を示すこと。
7 なお、「解説」で、次の点も示さればいいのではないかと思います。
・「国債整理基金への繰入額と同じ額の普通国債を、整理基金によって償却するかどうか」はときどきの判断なので、個人では予測できないので、このように仮定した。
・普通国債以外の債務が普通国債で借り換えられるはずでありその場合にはその分だけ、普通国債の残高が増えるが、データを得られないので、このような仮定を置いた。
(旧国鉄関係の債務はほとんど借換が済んでいて、今後は大きな変動要因にはなりにくいと思います。ただ、現在検討されているように、特別会計を廃止して一般会計と統合すると、その特別会計の負債の少なくとも一部は一般会計の負債として継承されるはずです。これが、また将来、普通国債で借り換えられることになります。)
・整理基金への特別の繰り入れなど任意の償却は行われる可能性があるが、これも予測不可能なので、こう仮定した。(18年度に他の会計の余剰金を国債整理基金に繰り入れ、普通国債を償却する構想があるようです。)
8 国債整理基金は国債整理のためのもので、繰り入れと償還の差額は本質的な意味はありません。また、他の債務の普通国債での借換も、債務の種類の変更だけで、本質的な意味亜ありません。
9 もし気になるなら、5であげた要因による「特別な普通国債の発行」という欄を作っておかれ、実績値を入れていくという方法もあります。
cloudyさんのカリキュレーションの眼目は「将来に向かっての予測」でしょう?すると現時点では予測不可能なこと、データが得られないことについては、何らかの仮定を置かざるを得ません。その仮定を明示しておけば、読者には親切であり、フェアーでもあると思います。少なくとも財務省の表よりは親切で、分かりやすいはずです。
なお、もう一つの眼目である、インフレケースととデフレケースの差には、5の仮定はあまり大きな影響を与えないでしょう。
以下、参考です。
カリキュレーターV00.2で計算してみました。
2つのケースです。
ケース1 一般歳出の初期値を73.2のままの場合。
ケース2 そこから、国債整理基金への繰り入れ9兆円を差し引いた64.2兆円に変えた場合。
インフレシナリオ
ケース1 2017年から2020年にかけて債務GDP比は116のピークを迎え、後は低下。2034年には86。
ケース2 2005年から2013年にかけて債務GDP比は103のピークを迎え、後は低下。2034年には49。2017年に、財務省念願のプライマリーバランス(PB)達成。
デフレシナリオ
ケース1 債務GDP比は発散。2034年には167。
ケース2 債務GDP比は、2020年から2029年にかけて130のピークを迎え、以後低下。2034年には122。2021年に、プライマリーバランス(PB)達成。
cloudyさんのF尺度勝手に改訂版(http://cloudy9.fc2web.com/fscale.html)によると、「自己中心的、相対主義、即時指向、感覚主義、快楽志向が特徴の自由主義者」である平家のお答えは以上です。カリキュレーター貴重な試みだと思っています。改訂を期待しています。また、ご質問があればどうぞご遠慮なく。
(11月27日追記 アンダーライン部分を追加しました。)
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