ちょっと変だよ、毎日新聞

財政の健全度についてはいろいろな考え方があります。その中に「基礎的財政収支」という概念があります。

利払費」で書いたのですが、基礎的財政収支の均衡というのは、「国債の償還費+利払費以外の財政支出(一般歳出等=一般歳出+地方交付税交付金)を、税収などで賄える。」という状態です。

このとき、国債の償還費+利払費は国債発行に頼ることになります。償還費を国債発行で賄っても国債の残高は増えません。でも、利払費を国債発行で賄えば、その分だけ国債残高は増えます。

つまり、基礎的財政収支が均衡すれば、利払費だけ国債残高は増えます。

今日(2005年12月19日)の毎日新聞朝刊の一面に基礎的財政収支の説明が載っています。

記事全体が妙な表現なので、うまく引用できないのですが、「基礎的財政収支が均衡すると国債残高が増えない」という趣旨になっています。

これは変です。基礎的財政収支国債残高の関係は、財務省のホームページでもこう説明されています。(http://www.mof.go.jp/tokusyu/pdf/zaisei10.pdf

基礎的財政収支が均衡している状態では・・・債務残高は利払費分だけ増大します。」

取材不足ではないでしょうか?

(なお、「利払費」で利払費の額が分からないと書いたのですが、その後、財務省のホームページに載っていることが分かりました。間違いでした。)

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