ちょっと変だよ、日経新聞 基礎的財政収支

ちょっと変だよ、毎日新聞」で毎日新聞基礎的財政収支の説明の奇妙さについて書いたのですが、今度は経済専門紙、日本経済新聞が説明を書いています(2005年12月25日朝刊)。

「(基礎的)収支が黒字であれば新たな借金は過去の支払いのためだけに使われており、借金に頼らずに政策運営ができていることを示す。」

利払いを「過去の支払い」と言っていいかどうか疑問がありますが、「借金に頼らずに政策運営ができていることを示す。」はまあいいでしょう。

次が問題です。

「収支が均衡すれば債務残高は増えにくくなる。」

「増えにくくなる。」というのはひどく曖昧な表現です。「収支が均衡すれば債務残高は、利払い額と国債事務費の額だけ増える。」が良かったでしょう。

その続きはもっと問題です。

「ただ経済成長率より金利が高くなれば利払い費が増え、債務残高は膨らむ。」

経済成長率より金利が高かろうが低かろうが、利払い費(と国債事務費だけ)、債務残高は膨らみます。これは、「ただ経済成長率より金利が高くなれば、GDPに対する債務残高の割合は上がる。」とすべきでした。

基礎的収支均衡、国債残高の増減との関係は、十分理解できていないようです。

元々がわかりにくいものなのかもしれません・・・・。しかし、経済学部で財政学を勉強すれば、習うはずです。

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