基礎年金と国民年金 その2

今日は、「基礎年金と国民年金」で出した「月額保険料を1万5千円に抑え、しかも将来の年金支払いを確実なものにするにはどうすればいいか?」という問題に対する答えです。 前置きとして、厚生労働省が発表している基礎年金の財政見通しを見ておきましょう。 http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/04/04-08f.html なお、詳しいものをご覧になりたい方は、エクセル形式のデータガ用意されています。 「保険料相当額」というのが、もし給付を保険料と国庫負担金だけで賄うとしたら保険料として取らなければならない、払わなければならない金額です。突き当たりの金額です。実際には、保険料、国庫負担金のほかに積立金がありますので、それを徐々に取り崩して行く予定です。こうすると月額保険料はここまで高くしなくてもいいということになります。 高齢者になって働くのをやめると、毎月の収入が減ります。支出はそれほど減らせません。そのため若いとき、中年のとき、定年前まだ働いているときに、老後に備えて貯金しておこうとするのが普通です。そうできれば、老後には、それを徐々に取り崩して収入よりも多めの支出をしながら生活を送ることができます。それと全く同じことが基礎年金の世界でも起こるのです。 積立金があるので、それを取り崩せば、2017年以降、月額保険料を16,900円で固定できると厚生労働省では考えています。 では、積立金の取り崩しを考えない場合の月額保険料相当額はどういうことになっているのか。 2009年に国庫負担率が2分の1になることになっています。このときの保険料相当額は13,064円です。 その後、高齢化の進展に伴って、この額は増え続け、2030年には、15,000円を突破します。 2030年以降も、さらに増え続け、2068年に20,995円でピークに達します。どんどん上がり続けるとお考えの方もいるようですが、寿命の伸びが止まると、高齢者の割合も少し減ります。そこで、必要な保険料相当額も減るのです。しかし、減り方はゆっくりで、2100年でも依然として19,339円必要です。 さて、積立金があれば、それを徐々に取り崩して行くことにより、月額保険料を押さえることができると説明しました。それは事実です。 そこで、前回の問題に対する答えです。月額保険料相当額を、15,000円に抑えるためには、月額保険料相当額が15,000円を超える2030年までにもっと積立金を増やしておき、それ以後の保険料の伸びを抑えればいい。 まあ、理屈はそうだとして、実際にはいくら積立金が必要なのか?どうやって積立金を増やせばいいのか?これが次の問題です。 答えは次回に。 人気blogランキングでは「社会科学」の19位でした。クリックしていただいた方、ありがとうございました。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング