毎月勤労統計の6月分確報が発表されました。6月の特徴は特別給与の額が多いことです。夏のボーナスが6月分と7月分に反映します。その額は例年6月のほうが多いのです。
一言でいえば、
雇用環境は好調、所得環境は悪化です。
まず、雇用の動きを見ると、常用雇用全体では1.5%増加で、内訳をみると一般労働者は1.07%増加、パートタイム労働者は2.8%増加です。全体の増加率も高まりましたし、フルタイムが伸びています。1%台は久しぶりです。昨年9月にプラスに転じて以来、傾向的に高まってきましたが、ようやく、という感じです。パートタイム労働者の増加率は低下していますが、なお高い率です。
常用雇用の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | 1.4
| 0.6 | 3.3 |
5月 | 1.4 | 0.7 | 3.1 |
6月 | 1.5 | 1.0 | 2.8 |
労働時間も長くなっています。総実労働時間は、全体では0.5%、フルタイムは1.0%の増加に転じ、パートタイムは△0.1%です。
総実労働時間の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | △0.7 | △0.2 | △0.4 |
5月 | △0.8 | △0.4 | △0.8 |
6月 | 0.5 | 1.0 | △0.1 |
常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して、労働投入を考えると次のようになります。近似計算ですが。
総労働投入の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | 0.7 | 0.4 | 2.9 |
5月 | 0.6 | 0.3 | 2.3 |
6月 | 2.0 | 2.0 | 2.7 |
労働投入量は2.0%増え、フルタイムの増加も2.0%です
「
毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2014年5月確報) その1」では、「
労働投入量は0.6%しか増えていません。パートタイム労働市場はタイト化しつつあるとはいえ、男性の就業率がなお低い状況ですから、供給の限界というよりは需要の増加が不足しているというべきでしょう。フルタイム労働者の増加はいいことですが、増え方が足りません。さらに労働需要を増やし、フルタイム労働者の増加率を高める必要があります。」と書きましたが、需要はまずまずのペースで増えたといえると思います。問題は先行きです。
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