毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2014年7月確報) その1

毎月勤労統計の7月分確報が発表されました。7月の特徴は特別給与の額が6月ほどではないのですが、多いことです。 一言でいえば、雇用環境は好調、所得環境は悪化です。 まず、雇用の動きを見ると、常用雇用全体では1.7%増加で、内訳をみると一般労働者は1.1%増加、パートタイム労働者は3.0%増加です。全体の増加率も高まりましたし、フルタイムが伸びています。6月に引き続き1%台です。堅調といっていいと思います。パートタイム労働者の増加率は6月より高くなりました。パートタイム労働者の増加率のほうが高いので、パートタイム労働者の割合は高まり続けています。 常用雇用の増加率(%)
規模全体フルタイムパートタイム
4月1.4 0.63.3
5月1.40.73.1
6月1.51.02.8
7月1.71.13.0
労働時間も長くなっています。総実労働時間は、全体では0.7%、フルタイムは1.0%の増加です。6月に引き続き増加です。パートタイムは△0.2%で、6月に比べて減少率が高くなりました。 総実労働時間の増加率(%)
規模全体フルタイムパートタイム
4月△0.7△0.2△0.4
5月△0.8△0.4△0.8
6月0.51.0△0.1
7月0.71.0△0.2
常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して(近似値になります。)、労働投入を考えると次のようになります。全体では6月よりさらに高い2.4%の増加です。 総労働投入の増加率(%)
規模全体フルタイムパートタイム
4月0.70.42.9
5月0.60.32.3
6月2.02.02.7
7月2.42.12.8
雇用という面からみれば堅調な動きといえるでしょう。 「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2014年6月確報) その1」で「問題は先行きです。」と書きましたが、今月も同じです。フルタイム雇用の増加が与える将来の見通しの安心感による消費拡大効果が、実質所得の減少による消費抑制効果を上回るかどうかが、重要です。 人気blogランキングでは「社会科学」の12位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング