「
雇用と賃金を考える(2014年4月・常用労働者)」の続きです。
毎月勤労統計の2014年5月確報が発表されました。
一言でいえば、
名目好調、実質不十分です。
まず、雇用の動きを見ると、常用雇用全体では1.4%増加で、一般労働者は0.7%増加、パートタイム労働者は3.1%増加です。
常用雇用の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | 1.4
| 0.6 | 3.3 |
5月 | 1.4 | 0.7 | 3.1 |
これだけ見ると好調といっていいのですが、労働時間も合わせて考えると、それほどよくはありません。総実労働時間は、一般。パートともに減っています。
総実労働時間の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | △0.7 | △0.2 | △0.4 |
5月 | △0.8 | △0.4 | △0.8 |
常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して、労働投入を考えると次のようになります。近似計算ですが。
総労働投入の増加率(%)規模 | 全体 | フルタイム | パートタイム |
---|
4月 | 0.7 | 0.4 | 2.9 |
5月 | 0.6 | 0.3 | 2.3 |
労働投入量は0.6%しか増えていません。パートタイム
労働市場はタイト化しつつあるとはいえ、男性の就業率がなお低い状況ですから、供給の限界というよりは需要の増加が不足しているというべきでしょう。フルタイム労働者の増加はいいことですが、増え方が足りません。さらに労働需要を増やし、フルタイム労働者の増加率を高める必要があります。
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