民間設備投資は回復するか

来年度の経済見通しが発表されました。非常に特徴のある見通しです。 まず、その概要です。国内総生産は名目値で2.1兆円増加することになっています。0.4%の成長です。 22年度経済見通し(名目値:兆円)
項目21年度実績見込み(A)21年度実績(B)22年度見通し(C)増減(C)-(A)増減(C)-(B)
国内総生産473.1475.22.1
民間最終消費支出283.4283.0△0.4
民間住宅13.113.60.5
民間企業設備61.963.41.5
民間在庫品増加△1.2△0.50.7
輸出(E)58.361.63.3
輸入(M)59.061.72.7
純輸出(E)-(M)△0.7△0.10.6
その他116.6115.8△0.8
この成長がどう達成されるかというシナリオを描いてみると、金融危機後の世界経済の混乱は収まることがベースになります。世界経済の2番底はないということです。 まず、世界の金融危機後大幅な在庫の調整が行われましたが、22年度も在庫は減り続けるものの、21年度に比べれば0.7兆円増えると見込まれています。それほど無理のある想定ではありません。また、世界経済の混乱が終わるのに伴い、世界の貿易は拡大します。日本の輸出も輸入も回復し、純輸出は0.6超円増加すると見込まれています。 景気の回復を受けて、民間企業の設備投資は1.5兆円増加すると見込まれています。これが2.1兆円の4分の3ですから、主役でしょう。稼働率が低い中での投資増加です。 家計部門をみると、消費は0.4兆円減る見込みです。物価下落の影響もあるでしょう。住宅投資は0.5兆円の増加です。かなり強気です。 その他の支出のほとんどは公的なものですが、0.8兆円減ることになっています。 この見通しが実現するかどうかは、世界経済の回復と民間企業の設備通し意欲にかかっています。 人気blogランキングでは「社会科学」の44位でした。 今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング