8月の機械受注統計
8月の機械受注統計が、先日発表されました。(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/0608juchu.html)
機械の受注は本質的にぶれが大きいので、少しだけ、長い目で見てみたいと思い、7,8月の合計を計算してみました。(季節調整をしていません。)
合計は、4兆3,418億円、前年同期比 7.7%増加と好調ですが、1-3月の18.9%増加、4-6月の17.1%増加に比べると伸び率は低くなってきています。
内訳を見ましょう。まず、外需と内需に分けてみます。
外需は、1兆8,723億円前年同期比 19.0%増加と極めて好調ですが、それでも1-3月の45.9%増加、4-6月の24.2%増加に比べると伸び率は低くなってきています。
内需は、2兆2,518億円で、前年同期比0.3%増加です。横ばいと言って良いでしょう。やはり1-3月の6.7%増加、4-6月の13.1%増加に比べると伸び率は低くなってきています。
内需をさらに官公需と民需に分けてみます。
官公需は、3,168億円前年同期比 0.7増加と横ばいです。1-3月は2,4%減少でしたが、4-6月は0.3%の減少とほぼ横ばいでしたから、18年度に入ってからは横ばいと考えて良いでしょう。
民需は、1兆9,351億円で、前年同期比0.2%増加です。これも横ばいと言って良いでしょう。1-3月の9.6%増加、4-6月の15.2%増加に比べるとその差は鮮明です。
なお、船舶、電力を除く民需を見ても、1兆7、959億円で、前年同期比0.8%の減少です。これも横ばいと言って良いでしょう。1-3月の3.8%増加、4-6月の15.4%増加に比べると、大幅なプラスからマイナスへの転換です。
この統計は、おおよそ6ヵ月後に設備投資の実績となると言われています。もしこれが正しければ、来年に入ったころには民間設備投資は高い水準ながらも、対前年同期でそれほど伸びないことになります。
元来、設備投資の高い伸びは、GDPの高い伸びに支えられない限り、長期間続くものではありません。
今回の景気回復のエンジンは、最初は輸出回復で、それがうまく設備投資に転換したのですが、設備投資が横ばいになった時、景気回復を支えるものは何でしょうか?
「「7月の貿易収支黒字」について」で書いたように輸出の伸びは高いのですが、最近の円安から見て、さらに拡大し、再び輸出がエンジンになる可能性もあります。その推進力がどれくらいかはよく分かりませんが。
なお、9月は機械受注の多い月です。これをよく見る必要があります。
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