ねんきん特別便が来なくて、住所変更したときには、「ねんきん定期便を送って」と付け加えましょう。

厚生年金に加入している方と被扶養配偶者(いわゆる第3号被保険者です。)の方の住所は、お勤めの会社から社会保険庁に届けられています。社会保険庁は、この住所を正しいと考えて、その住所に「ねんきん特別便」を送ったようです。 ところが、「ねんきん特別便 その8 171万人」で書いたように、住所がきちんと届け出られていなくて、120万件ほどの特別便が戻ってきてしまいました。 タマさんの書かれた「でも、納得できない『ねんきん定期便』」などを読むと、その後どんな事態が発生しているか、どんなことに注意しなければならないかが分かります。 太い字はタマさん書かれたことです。少し順番を入れ替えてあります。 1 ことの発端 ポチさん(旦那様)は会社勤め、タマさんは被扶養の配偶者でした。お勤めの会社は、最初は、御二人の住所をきちんと社会保険事務所に届け出ていました。 2 引っ越し 御二人は横浜から久留米市に引っ越されました。このときタマ>さんは久留米市役所へ行って、転入の手続きをされました。その時、市役所の職員は、「年金関係の住所変更は行わなくて良い」と説明したようです。これは給与所得者なので会社が行うという意味だったのです。間違いではありません。 3 会社が住所変更の届け出を怠る 会社は、お二人の住所変更を社会保険事務所に届け出る義務を負っているのですが、「てーげーな会社」なので、届け出をしませんでした。 4 ねんきん特別便の発送 新しい住所の届け出がなかったので、社会保険庁は、古い住所に「ねんきん特別便」を発送しました。転送期間が切れていたのでしょう。久留米の御宅には届かず、「ねんきん特別便」は社会保険庁に戻ってきてしまいました。社会保険庁は住所が間違っていて、郵便を送っても届かないことを知り、ねんきん定期便を送っても無駄になるのでポチさん、タマさんを「ねんきん定期便」の発送リストからはずしたようです。 5 問い合わせと住所変更 タマさんはねんきん特別便」が届かなくて社会保険事務所に問い合わせ、られ、、会社がお二人の住所変更の届けをしていないことをお知りになりました。会社に住所変更をするよう求められたところ、会社は住所変更を届け出ました。届け出るまでにいろいろなことがあったようですが。ところが、住所が変更されたのはポチだけで、何と配偶者のタマの住所が変更されていなかったのです。会社がポチさんを届け出れば自動的にタマさん住所も変更されると勘違いしたのかもしれません。 この時点で、ポチさんの住所は久留米市、タマさんの住所は横浜市と記録されることになりました。単身赴任や別居などいろんな事情がありますので、特に不審な届け出とは受け止められなかったようです。 また、この時点で、会社は「『特別便』が届かなくて、(当然の)文句を言われて届け出ました。特別便を送ってください」とは言わなかったようです。 このためお二人は、ねんきん定期便の発送リストから外れたままになってしまいました。当然というべきなのかどうか迷いますが、・・・・。 6 ねんきん定期便 社会保険庁は、タマさんの分のねんきん定期便を発送しませんでした。ねんきん特別便が来ないことを不審に思われたタマポチさんは、社会保険事務所に問い合わせをされ、ポチタマさんの住所だけが変更されていてタマポチさんの住所が横浜のままであることを確認されました。そこで、・・・。 7 タマさんの住所変更 「もう、ポチの会社の総務なんかあてに出来ない」と、タマ(さん)は7月、暑い暑い中を必要書類を持って、社会保険事務所まで出向いて自ら住所変更を行ったのであります。このときタマさんはねんきん特別便も定期便も来ていないことを社会保険事務所に伝えられたはずです。 社会保険事務所は、タマさん(だけ)をねんきん定期便の発送リストに追加し、タマさんには、紆余曲折の末9月の誕生月には無事「年金定期便」が届きました。ところが、ポチさんは、ねんきん定期便発送リストに復活していません。そのせいで・・・・。 8 ポチさんのねんきん定期便 ポチさんには誕生日の12月になってもねんきん定期便がきません。不審に思われたタマさんは再び社会保険庁に問い合わせをされ、社会保険庁「年金特別便」がに届かず戻ってきた事から、「定期便」も差し止めていることを知られました。 同時に、社会保険庁もタマさんの住所変更がねんきん特別便が届かなかったから、届け出られたものであること、つまり、タマさんにはねんきん特別便が届いていないことを知り、まず届かなかった「特別便」を送って、 その3ヶ月後ぐらいにねんきん定期便を送ることにしたようです。 さて、どこに問題があったのでしょうか? 1 最初に住所変更を届け出なかった会社のミスは明らかでしょう。 2 ねんきん特別便が住所不明で戻ってきたとき、社会保険庁は会社に問い合わせをするべきだったでしょうか?おそらく件数が多すぎて対応できなかったのではないでしょうか? 3 タマさんの住所変更をしたときに、ポチさんのを忘れたのも会社のミスでしょう。  このとき、社会保険事務所が、「タマさんには配偶者はおられませんか?配偶者の方も引っ越しされていませんか?」と聞けばよかったように思えるのですが、いろいろ問題があります。 まず、郵便やオンラインで届け出られると、こういう会話ができません。また、配偶者と別居する場合、いろいろ事情があることもあるので、プライバシーを詮索したという批判があるかもしれません。 4 ポチさんは、自分の住所変更をしたとき、タマさんにねんきん特別便が届いていないことを社会保険事務所に告げるべきだったでしょうか?そこまで個人に要求するのはいくらなんでも無理でしょう。では、社会保険事務所がポチさんに確認すべきだったのでしょうか?微妙です。 5 おそらく、ポチさんが届いていないというデータがあるなら、その後(住所)変更届けが出された等の確認を行いそうな気がするけど。(件数が多いからってやらないの?)と言われているように、住所の変更があるたびに年金特別便が届かなかった方と照らし合わせるのが一番いいのでしょう。しかし、この件数は膨大です。手作業でできるようなものではありません。システム開発が必要ですし、運営費もばかにならないでしょう。届け出を怠った会社のせいで起こった事態への対応に、それだけの費用をかけること、費用を負担してもらうことを、ちゃんと手続きをしてきた会社や個人に納得してもらえるでしょうか?117万件が解消するまでこのシステムを動かし続けるのも費用の面で大変でしょう。 残念ながら、どうも、ポチさんに納得していただけるような答えが見つかりません。 社会保険庁は、こんな呼びかけをしていました。 http://www.nenkin.go.jp/pension/teiki/index.html 社会保険庁にお届けいただいている住所が現住所と違っている方のお手元には「ねんきん定期便」をお届けすることができません。ご住所の訂正(変更)は、ご自身による手続きが必要となりますので、お手数ですが下記のいずれかの窓口へ申し出をお願いします。 ○ 国民年金加入中(国民年金第1号被保険者)の方 市区町村役場の国民年金担当窓口へ ○ 厚生年金保険加入中の方 お勤めの会社などへ 〇 会社員や公務員の被扶養配偶者(国民年金第3号被保険者)の方 配偶者のお勤めの会社などへ この住所変更のときに、「ねんきん特別便が届いていないし、ねんきん定期便も来ていないから送ってくれ。」というのが、確実な対処法のようです。 人気blogランキングでは「社会科学」の52位でした。 今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング