水色の封筒に入ったねんきん特別便が来たら

社会保険庁ねんきん特別便を送ってきています。大勢の方が受け取られていて、いろいろブログに感想、疑問を書かれています。いろいろな方のブログを読んでいると、いくつか共通の疑問があるようです。私の知っている範囲で、解説します。

1 何で、私に送ってくるの?私は若いのに。

今、送られているのは、水色の封筒に入ったものです。これは、社会保険庁基礎年金番号に結びついていない約5000万件の記録について名寄せ作業をして、基礎年金番号の記録と結びつく可能性のある記録(宙に浮いている記録)が出てきた人に送っているものです。お年寄りだけ送っているわけではありません。30歳でも可能性があれば送ってきます。

2 何で私に送ってくるの?転職もしていないし、姓も変わってのいないのに。

転職をした人、姓が変わった人でなくても、基礎年金番号に結びつく可能性のある記録が社会保険庁で見つかれば送ってきます。生年月日と氏名で名寄せをしているのですが、これが完全に一致していなくとも、生年月日が近かったり、氏名が一字違いであったりすると送ってきます。結び付けるべき人を探し出すためにかなり幅広く送っているのです。全然、心当たりがないのに送られてくるとびっくりするでしょうが、誰のものかわからない年金記録の持ち主を探すためですから仕方がないでしょう。迷子のお母さんを見つけるために、広範囲に呼びかけます。夜になっても、子どもが帰ってこないときは、何軒も心当たりのあるところに連絡します。これと同じです。

含胡亭片靴さんが、「『ねんきん特別便』が来た」で、体験を語ってられます。年金増額にはつながらなくて、残念ですが。

3 何で、ねんきん特別便には、国民年金の記録しかないの?何で、厚生年金の記録しかないの?転職もしていないし、転居もしていないし、姓も変わってのいないのに。

国民年金と厚生年金の記録は別物です。今までに自分で統合の手続きをされていないときは、原則として統合されていません。(ブルーの年金手帳の場合は、統合されているはずです。)

これが変だと思われる方が多いようですが、「こういう事情」があって社会保険庁が本人と連絡せずに統合することはできないのです。

ついでですが、社会保険庁のホームページ(http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/070831shintyoku.htm)によると、社会保険庁も何の努力もしてこなったわけではないようです。

平成9年1月に基礎年金番号を導入しました。その時には3億件の年金番号があり、そのうち1億件が基礎年金番号になりました。ですから、2億件の年金番号が宙に浮いていたのです。

このとき、他の年金制度に加入していたことがあるか、他の手帳記号番号を持っていないかを本人に問い合わせました。また、基礎年金番号の付いた記録と宙に浮いていた記録を、氏名、性別、生年月日による名寄せを行い、これらの結果、統合の可能性があると思われた人にも問い合わせをしました。

そして回答があったものについては、統合をしました。統合したのは927万人だったそうです。

その後も、年金の支給を決めるときや58歳の時点で本人に確認し、基礎年金番号への統合を進めてきたそうです。

その結果、宙に浮いていた記録のうち1億5千万件が統合されました。平成18年6月現在で約5,095万件が、まだ、基礎年金番号に結び付かないままとなっています。その後、440万件ほど統合できたようなので、今、宙に浮いているのは4,655万件ぐらいです。

4 ねんきん特別便国民年金だけしか記録がない時はどうすればいいの?厚生年金しか記録がないときはどうすればいいの?

まず、家に何冊、年金手帳や被保険者証、年金番号基礎年金番号を確認しましょう。厚生年金の場合、会社に預けている場合があるようなので、これも忘れずに。それから、働き出す前に親が国民年金を払っていてくれた場合も多いようですので、親にも確認しましょう。

手帳などが宙に浮いている記録を探すのに、一番役に立ちます。

全部手帳などを並べて、1997年1月1日に加入していた厚生年金の記号(4桁)番号(6桁)、国民年金の記号(4桁)番号(6桁)を調べましょう。これが、基礎年金番号です。

どの手帳、被保険者証、年金番号証が1997年1月1日ものかをまず確かめて、基礎年金番号を確定するのが第一です。

次ぎにやることは、国民年金手帳、厚生年金被保険者証、船員保険年金番号証、年金手帳が何冊あるかで、変わってきます。

ア 1冊の場合 

年金手帳に、

厚生年金、国民年金船員保険の番号が二つ、三つ書かれている場合は、

統合されていると勘違いをしそうですが、

手続きをとっていなければ統合されていません。

宙に浮いているのです。

社会保険事務所基礎年金番号以外の番号が手帳にあること、その番号を伝えましょう。これでかなり記録が出てくるはずです。年金番号で記録が保管されているからです。年金手帳があれば、

イ 2冊以上ある場合

名前、生年月日が同じ手帳でも、

手続きをしていなければ統合されていません。

宙に浮いているのです。

社会保険事務所基礎年金番号以外の番号が手帳にあること、その手帳に書かれている番号を伝えましょう。これでかなり記録が出てくるはずです。

手帳に書いてある自分の名前、性、生年月日が、基礎年金番号の手帳とは違っているときは、そのことも伝えましょう。女性の方要注意です。

厚生年金の手帳が2冊以上あるのは、本当はおかしいのですが、誰かが事務手続きを省くと、発行されてしまいます。

北の果族さんが、「ねんきん特別便が来ました」で、年金手帳が2冊あったときの体験を語ってられます。

ウ 青色の表紙の年金手帳が2冊以上ある場合

あるはずがない状況です。直ちに社会保険事務所に連絡しましょう。

5 手帳をなくした場合はどうすればいいの?

先ほども書きましたが、厚生年金、船員年金の場合、会社が預かっている場合があります。確認しましょう。以前勤めていた会社にも確認しましょう。手帳がなくても、厚生年金、船員保険の番号が分かればいいので、それも聞いてみましょう。

再発行してもらえる場合もあります。

以下は参考です。

1 職歴は、思い出せる限り思い出しておきましょう。ちゃんと年代順に書き留めておくといいです。

働いていたときは20歳未満でも厚生年金に入っている可能性があります。自分はアルバイトで年金など入っていなかったつもりだったのに、会社はしっかり年金保険料を払っていてくれたということもあります。パートの場合も同じです。

住所も同じです。どうしても分からないときは、本籍地の市町村役場に、20歳以降の住所が調べたいと説明して、戸籍の附票をとりましょう。ただ、もしとるのであれば早くしたほうがいいです。戸籍電子化に伴って附票が取れなくなるかもしれません。

2 保険料を払ったことを証明できる書類

手元にあるものは、領収書、給料袋、銀行の手帳、など全部、用意したほうがいいようです。

おまけを二つ。

1 住所と名前の確認

今住んでいる住所が、届け出てある住所と違うと「ねんきん特別便」が届きません。こなかったから大丈夫ということではありません。住所が変わっている方は、届け出を急ぐ必要があります。

届け出先

 国民年金加入者は、市町村の国民年金係です。

 厚生年金加入者と配偶者は、勤め先です。

宛名も届け出てある名前ですから、結婚したり、離婚して名前が変わっていると届かないおそれがあります。この年齢の女性は特に注意されたほうがいいと思います。

なお、会社の事務がいい加減だったり、アウトソースされていて信頼度が分からない場合は、まず、会社に自分の名前と住所がどう届け出られているのかを聞いてみた方がいいと思います。

2 旧姓の届出

女性の方に多いと思うのですが、姓が変わっている方は、こちらを、ご覧になるといいと思います。

http://www.sia.go.jp/topics/2008/n0201.htm

宙に浮いている年金記録が、持ち主のところに着地することを願っています。

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