女性が結婚して姓が変わったときの年金

水色の封筒に入ったねんきん特別便が来たら」に、シーラカンスさんからこんなコメントをいただきました。

1989年度(平成元年度)に就職し、その後1年半で結婚して姓が変わったものの、一つの企業で20年近く勤めてきているので…大丈夫だろうってタカをくくってるんですが…大丈夫じゃ、ないもんなんでしょうか?だとするとすごい怖いです。働いていて姓が変わってる女性は大量にいると思うのですが…

多分、こういうケースでは問題ないと思います。

シーラカンスさんの場合、お勤めですから就職されたときに厚生年金の被保険者になっているはずです。このとき厚生年金の年金番号がつけられています。

1891年に結婚され、改姓されたときには、会社を辞められていないので、厚生年金の被保険者のままで、年金番号も変わっていません。

その後、1997年1月に基礎年金番号がつけられましたが、このときもそのまま勤めてられたので、それまでのシーラカンスさんの厚生年金の番号=現在のシーラカンスさんの基礎年金番号になっています。

番号がひとつだけですから、記録もひとつだけで宙に浮いていることはありません。

ただ、結婚され、改姓されたときには、姓が変わったことを会社に伝え、会社が社会保険事務所に伝え、社会保険事務所が姓の変更をしなければなりません。誰かが、うっかりミス、手抜きをしていると、現在も結婚前の名前で記録されています。まず、そんなことはないと思いますが、会社の人事担当者に、シーラカンスさんの名前は今の姓で届けられているかどうか確認しておかれればいいと思います。年金手帳の姓が変わっていれば間違いないでしょう。

女性で問題になるのはこういうケースです。

第一のケース 国民年金と厚生年金

1996年(平成8年)12月31日までに、勤め始めて厚生年金にの被保険者となる。このとき厚生年金の番号がつけられる。記録は旧姓です。お名前を山田良子、番号は10番としておきましょう。

1996年12月までに結婚準備のため退職。厚生年金の被保険者ではなくなる。

1996年12月までに結婚して改姓。佐藤良子さんとします。国民年金に加入。国民年金の番号がつけられます。20番としましょう。

1997年1月、基礎年金番号がつけられます。この方の場合、国民年金番号が基礎年金番号になります。基礎年金番号は20番。この記録は社会保険庁にしっかりと残っています。(そのはずです。)

そのまま何もしないでいると、社会保険庁には二つの記録が残ります。

1 山田良子 厚生年金番号10番

2 佐藤良子 基礎年金番号20番

この二人が、同じ人であるかどうかは、社会保険庁には分かりません。日本には良子さんはたくさんいるからです。その結果、「山田良子 厚生年金番号10番」の記録は宙に浮くのです。

これを結びつける(統合する)ためには、本人が社会保険事務所

「山田良子 厚生年金番号10番=佐藤良子 基礎年金番号20番です。」という必要があるのです。証拠は年金手帳が一番確実です。

第二のケース 厚生年金と厚生年金

1996年(平成8年)12月31日までに、勤め始めて厚生年金にの被保険者となる。このとき厚生年金の番号がつけられる。記録は旧姓です。お名前を田中良子、番号は10番としておきましょう。

1996年12月までに結婚準備のため退職。厚生年金の被保険者ではなくなる。

1996年12月までに結婚して改姓。鈴木良子さんとします。

1996年12月までに出産。子どもが大きくなったので、再就職。厚生年金の被保険者となる。ただし、前の厚生年金の番号ではいるべきところ、新しい番号をつけられてしまう。50番としましょう。

1997年1月、基礎年金番号がつけられます。この方の場合、厚生年金番号基礎年金番号になります。基礎年金番号は50番。この記録は社会保険庁にしっかりと残っています。(そのはずです。)

そのまま何もしないでいると、社会保険庁には二つの記録が残ります。

1 田中良子 厚生年金番号10番

2 鈴木良子 基礎年金番号50番

この二人が、同じ人であるかどうかは、やはり、社会保険庁には分かりません。先ほどと同じで、日本には良子さんはたくさんいるからです。その結果、「田中良子 厚生年金番号10番」の記録は宙に浮くのです。

これを結びつける(統合する)ためには、本人が社会保険事務所

「山田良子 厚生年金番号10番=佐藤良子 基礎年金番号50番です。」という必要があリます。

いま、ねんきん特別便が送られているのは、姓名、生年月日が同じか似ている人だけです。上の二つのケースのように姓が違うと送られません。

そこで、社会保険庁は、旧姓届出を求めているのです。こちらを見てください。⇒http://www.sia.go.jp/topics/2008/n0201.htm

手帳を2冊以上持っているか、一冊でも2つ以上番後が書かれていて、統合した記憶がなければ早めに旧姓を届けるか、年金手帳を持って、社会保険事務所にいって、記録を統合してもらうのがいいでしょう。

手帳があれば、窓口にたどり着けさえすれば10分もあれば、手続きは終わるそうです。

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