現在、盛んに人手不足ということが言われています。人口が減り、労働供給が減ったために人手不足になったと誤解している方がいるようです。実際には労働供給は大幅に増えています。働いている人の数はもっと増えています。人手不足の原因は、大量採用なのです。
次の表を見てください。2016年7月の
労働力調査からとったものです。15歳から64歳と定義される生産年齢人口のものです。
7月の主要指標(万人)(%)項目 | 2016年の人数 | 同2015年 | 差 | 増減率 |
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人口 | 7,633 | 7,703 | △70 | △0.9 |
労働力人口 | 5,875 | 5,853 | 22 | 0.4 |
就業者 | 5,685 | 5,643 | 42 | 0.7 |
雇用者 | 5,217 | 5,175 | 42 | △0.8 |
うち正規 | 3,258 | 3,237 | 21 | 0.6 |
うち非正規 | 1,720 | 1,695 | 25 | 1.5 |
完全失業者 | 189 | 210 | △21 | △10.0 |
非労働力人口 | 1,752 | 1,844 | △92 | △5.0 |
うち通学 | 649 | 680 | △31 | △4.6 |
うち家事 | 811 | 854 | △43 | △5.0 |
うちその他 | 293 | 311 | △18 | △5.8 |
労働力率 | 77.0% | 76.0 | 1.0P | - |
就業率 | 74.5% | 73.3 | 1.2P | - |
完全失業率 | 3.2% | 3.6% | △0.4P | - |
人口は70万人減っています。では、ル動力人口もそれなりに減っているのかというとそんなことはありません。22万人も増えています。働いている人、就業者はさらに大きく増えています。42万人増加です。雇用者も同じ人数だけ増えています。そのうち正規は21万人増加、非正規は25万人増加です。完全失業者は21万人減っています。
人口が減り、そのうち
労働力人口が増えているのですから、非
労働力人口は減少しています。92万人減少です。うち通学が31万人減少です。アルバイトを始めているのでしょう。家事も43万人減っています。パートやフルタイムで働く人が増えたのでしょう。その他は18万人減少ですが、減少率は最も高くなっています。
労働力率は1%ポイント上昇、就業率は1.2%ポイント上昇、
完全失業率は0.4%ポイント低下です。
人口は減っても働きたい人、働いている人は増えています。さらに1%ポイント
労働力率が上がると76万人の供給が増えます。これに完全失業者を加えると265万人になります。これだけの人数を念頭に置いて雇用の確保を図っていくべきです。
さらに65歳以上の問題があります。
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