非正規労働者と組合 その3

非正規労働者と組合 その2」の続きです。

もう一つ、組合が加入を認め始めているのは、非正規労働者が増え続けた結果、労働組合の代表がそのまま「労働者の過半数の代表」になれるとは限らなくなっているということでしょう。非正規労働者過半数を占めるようになれば、たとえ残りの正社員を完全に組織化していたとしても、過半数代表を選ぶ手続きを取らなければなりません。

就業規則の制定・変更の際には会社は過半数代表者の意見を聞かなければなりませんし、時間外労働について三六協定を結ぶ時には過半数代表と協定を結ばなければなりません。

選出の際には、全員が参加できる投票、挙手などで選ばなければなりません。

もしここで、非正規労働者から対立候補が出て、労働組合代表が敗れたら大変です。まして、非正規労働者が別に労働組合を作って過半数を占めたら、そちらが権利を持ってしまいます。正社員の三六協定を非正規の労働組合に結ばれたら正社員の労働組合の立場がありません。時間外労働は重要な労働条件なのですから。

こういう事情が、非正規労働者の加入を認める潜在的な理由でしょう。この傾向は、非正規労働者が増えるに従って、現実味を増していくでしょう。

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