末っ子の影響力

国民の生活意識」に引き続き、平成17年国民生活基礎調査からです。

今回は児童のいる世帯の状況です(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa05/1-3.html)。

図5をみると、少子化の進行がよく分かります。

次ぎに図6をご覧下さい。この図を見ると、児童の母の働いている状況が「末子」(末っ子のことです。)の年齢ごとにわかります。まあ、末っ子の母親の行動に及ぼす影響がいかに大きいかがよく分かります。逆もまた真なのだと思いますが。

0歳のときは「仕事あり」が29.4%、「仕事なし」が71.6%です。乳児がいるときは働きにくいのです。その状況は直ぐに変わり始めます。末っ子が魔の2歳を超えて、3歳になると、「仕事あり」が40.4%、「仕事なし」が59.6%です。

これが4歳になると、逆転です。「仕事あり」が54.9%、「仕事なし」が45.1%です。三歳を過ぎると、だんだん手がかからなくなりますから・・・。

その後、「仕事あり」の割合は着々と上昇し、15から17歳、ちょうど高校生ぐらいになると「仕事あり」が75.8%、「仕事なし」が24.2%になります。ゼロ歳のときと逆になっているのです。

このころのお母さんの年齢がどれぐらいかよく分からないですが、高校生のお母さんとなると、35歳から55歳くらいが多いのではないかと思います。労働力調査で35歳から44歳、45歳から54歳の女性の労働力率(完全失業者も分子に含みます。)を調べてみると、66.7%、71.2%です。と言うことは、おそらくお母さんたちの方が働いている割合が高いということです。まあ、高校生になれば、世話はあまりしなくても良くなる反面(もっとも、「思春期男子の食べっぷり♪」にあるように、朝早く起きて、お弁当は作らなければならないかもしれません。)、教育費(そして、食費も)かかりますから、お母さんは働いてお金を稼がなくてはならないと言うことです。

さて、かのM字型カーブの話ですが、非婚化、晩婚化、晩産かが進むことによって底の深さはやや浅くなり、底の位置はやや右に動いてきました。今後、子供の数が減ると、右の山が低くなり、それにつれ右斜め下に向かう部分も低くなるかもしれません。

もう一つ、この図を見て思うのは出産時に退職したら、後はパートしかないとは言いにくいということです。勿論103万円以下に抑えているとも限りません。2億円の損という議論の非現実性は明らかです。

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