9月上中旬の貿易収支が発表されました。
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/200509b.htm
内閣府の機械受注も発表されました。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/0508juchu.html
貿易バランスと設備投資は経済成長を引っ張る2大勢力です。野球でいえば、三番と四番です。機械受注の
内需(
官公需+
民需)はこの投資の先行指標です。機械受注には外需もありますが、こちらは機械輸出の先行指標です。
両者の動きを追ってみました。表の(*)は貿易バランスについては1月から9月中旬までの合計、機械受注については、1月から8月までの合計です。まずは数字から。
貿易収支バランスと機械受注(内需)(百万円)年 | バランス | 増加額 | 機械受注(内需) | 増加額 |
---|
00年 | 10,715,775 | - | 17,514,648 | - |
01年 | 6,563,711 | -4,152,064 | 17,087,638 | -427,010 |
02年 | 9,881,450 | 3,317,739 | 14,610,188 | -2,477,450 |
03年 | 10,186,327 | 304,877 | 15,546,845 | 936,657 |
04年 | 11,953,343 | 1,767,016 | 15,882,554 | 335,709 |
04年(*) | 7,855,545 | - | 10,322,953 | - |
05年(*) | 5,504,249 | -2,351,296 | 10,601,679 | 278,726 |
2001年には(小泉総理の就任は、2001年の4月)、貿易収支も機械受注(
内需)も前年に比べて減っています。2002年には、機械受注(
内需)はさらに減りましたが、貿易バランス(収支)は改善しています。この貿易バランスの改善は絶好のタイミングでした。2003年には機械受注が増加に転じ、両方とも増加。機械受注の方が大きくなっています。2004年も、両方とも増加です。しかし、今度は貿易バランスが大幅に改善し、こちらの改善幅の方が大きくなっています。2002年以来、実にうまくバトンを受け渡しながら前へ進んできたということです。
そして2005年貿易収支は大幅に悪化しています。機械受注(
内需)増加しているものの、その増加額はかなり小さなものです。初めて、バトンの受け渡しに失敗したのかもしれません。
もちろん設備投資には機械だけではなく建物建設、土地の造成などがありますから設備投資全体で見ればもっと大きくなります。設備投資全体では、貿易バランスの悪化をカバーできているかもしれません。
「
8月の貿易収支大幅悪化」で、
「貿易黒字は永遠に増やせるのものではありません。国内の需要を増やすことによってしか、持続的な成長はできないと考えておくべきでしょう。企業の設備投資や個人消費の回復に期待がかかるのですが、(中略)貿易収支で黒字が減っていることに注意しておかないと、景気を崩してしまいかねません。」と書きました。
この懸念が的はずれなものならいいのですが。
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