派遣労働者は直接雇用のプールだろうか?
濱口桂一郎先生が論説「労働ビッグバンを解読する(http://homepage3.nifty.com/hamachan/bigbang.html)」で、派遣労働者の事前面接についてこのような主張をされている。
常識に適っていないのは、適性を確認してミスマッチやトラブルを避けたいと考えるような相手に対して、にもかかわらず使用者責任からは逃げ回ろうとする点である。
これについてはなるほどと思う。ただ、この主張が、「適性を確認してミスマッチやトラブルを避けたい」と考えないような派遣労働者に対しては使用者責任から逃げても問題はないということに繋がるような気がするのだが、濱口先生はどうお考えだろうか?
また、派遣労働者の事前面接の解禁を巡って、次のような推測を述べられている。
紹介予定派遣でなくとも事前面接をするのは、その時点で紹介を具体的に予定していなくても、将来的に円滑な直接雇用を図るつもりがあるからであろう。
これはどうだろうか?このような例もあるとは思う。しかし、単に職場に変な人、こちらの希望するような人が来て、「ミスマッチやトラブル」が起こると困るからというケースも多いのではないか。
要するに納品された商品が注文したとおりのものかを確認する(検品)を行おうとしているに過ぎないケースも多いのではないだろうか?検品は短期しか使わない商品に対しても行われている。
直接雇用の意図が全くなくても事前面接は行われうるし、打ち合わせなどと称して事実上行われているのではないか。
もしそうであれば、事前面接の解禁という改正が、「派遣労働者全体に対して直接雇用への前段階的性格を付与することになる。」という濱口先生の主張は成立しない。
また、「雇用申し込み義務を削除する(という法改正)は、労働者派遣の臨時的・一時的性格を希薄にし、労働者派遣全体に恒久的就労形態としての性格を付与することになる。」としても、両者を組み合わせると「期限の定めなく恒久的に直接雇用の前段階的性格を有する就労形態」となるという主張も成立しないように思える。
どうだろうか?
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