リフレ政策の検討 その3
「リフレ政策の検討 その1」の(疑問1)に関連して。
日銀のバランスシートを見てみました。
http://www.boj.or.jp/about/about_f.htm
「法・組織・業務」の「営業・決算」の「営業毎旬報告」です。
前から気になっていて、日銀のHPのどこにあるのだろうかと「統計」を捜していたのですが、「法・組織・業務」にありました。確かに日銀にとっては「統計」ではなく「業務」ですね。
10日毎に発表しています。これは統計ではないのですが、まあ、統計に近いものと考えると、毎旬の発表というのは、財務省の貿易収支統計とこれだけではないかと思います。
2005年12月31日のものを見てみます。
資産の中では、国債が最大で、99兆円。うち、長期国債が63兆円。短期国債が36兆円です。国債に次ぐのが買い入れ手形で、44兆円。資産の合計は156兆円です。
負債で一番多いのは、発券銀行券です。当たり前ですね。金額は79兆円。次が、かの有名な当座預金で、33兆円。三位が売り現先勘定で28兆円。
120兆円国債を買い入れれば、資産は80%ほど増えます。
国債全体のの保有高は、発券高を上回っています。長期国債だけならまだ発券高に達していません。
ついでですが、日銀券を発行するコストはわずかですし、当座預金にも利子は付きません。負債といっても無利子なのです。一方、国債を持っていれば利子が付きます。低金利といっても額は相当なものです。当然利益が上がります。その利益はどこに行くのでしょうか?国庫です。
日銀法↓第53条第5項でそう決められています。
http://www.boj.or.jp/about/about_f.htm
するとリフレ政策を貫徹したとき、極端な場合にはすべての国債を日銀が持ちます。すると国債利子は全部日銀が受け取り、それが日銀の利益になります。それが国庫に納められるとなると、形式は別として国債を無利子で発行し、それを日銀が引き受けるのと同じになります。ほとんど政府紙幣の発行と差がありません。
最近、財政再建に絡んで、名目成長率と長期金利のどちらが高くなるのかが議論されていますが、日本の場合、国債を日銀が持つ比率というのも考える必要があります。
すべての国債を日銀が持てば、事実上、名目成長率がどんなに低くてもプラスである限り、名目成長率>名目利子率となっているのと同じことになります。
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