「「成人男性の絶望感が社会を引き裂く?」について」について

「成人男性の絶望感が社会を引き裂く?」について」について

「絶望感」にとらわれた男性が選ぶもう一つの行動は自殺です。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/2.html

の図1をご覧になってください。自殺は昭和40年頃を底として増える傾向にあります。図2をみていただくと分かるように人口が増えたから自殺者が増えただけではなく、自殺率も高まっています。そして、一貫して男性の自殺率の方が高いのです。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/3.html

の図3をみてください。年齢によって自殺率には差があるのですが、男性の場合60歳の手前、50歳代後半が一番高くなっています。

次に表3をみてください。最近、特に自殺率が上がっているのが、男性の35歳から59歳です。バブルのピークだった頃の90年と比べると2倍程度になっています。男性と比べると女性はほとんど変化がないと言っていいでしょう。

表4をご覧ください。20歳から44歳の男性の死因のトップが自殺です。

そして、シーラカンスさんご指摘の無職男性です。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/9.html

の表11をご覧ください。仕事のある男性の自殺が10万人に32.9人であるのに対して、無職の男性の場合には70.8人です。無職の女性では21.9人にすぎません。

仕事があるかどうかについては、年齢が影響していますので、これは厳密な比較ではありませんが、無職の男性は自殺しやすいようです。

そして、もう一つ自殺率に大きな影響を与えている者があります。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/5.html#2

の表8をみてください。

30歳から59歳までをとると自殺率が高い順番に並べると、離婚した男性、死別した男性、未婚の男性、有配偶、つまり奥さんのいる男性となります。そして奥さんのいる男性の自殺率と他の男性との間には大きなギャップがあります。女性は男性を救っている、男性は女性に救われている感があります。「女性が、男性に」もなりたっているようですが、その効果は小さいようです。

私は、この問題の専門家ではないのですが、多分他にも、自殺に影響する要因はたくさんあると思います。そういう要因を無視した乱暴な議論ではありますが、どうも男性は、基本的には仕事をなくし、家族を失うか、家族をもてないと「人生を無駄にした」と感じ、「絶望感」にとらわれ、「自暴自棄」になって、自殺してしまう弱い存在のようです。あるいは女性が強いのでしょうか。生物的な条件もあるでしょうが、男女に期待されている社会的な役割の差も影響しているでしょう。

今後、決まった仕事、先の見通しのある仕事に就けず、家族も持てない男性が増えていきそうです。特に、女性が相手に経済力があることを結婚の条件にすると、仕事がないことが家族を持てないことにつながってしまいます。

多分、女性の意識が変わり、男性に経済力を求めなくなると、この問題は緩和されると思いますが、男性の考え方と同じで、女性の考え方はそう簡単には変わらないでしょう。変える方法も思いつきません。解決策が出てこないのが残念です。

人気blogランキング

↑クリックお願いします。