母子世帯 その2

「全国母子世帯等調査」を少し読んでみました。情報が豊富な調査で、HPの内容も充実しています。(いくつかのpdfファイルに分かれているので、一つ一つのファイルへのリンクは張りません。申し訳ないです。)

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/01/h0119-1.html

強い印象を受けたのは、母子家庭の母親は、実によく働いて収入を得ようとしていることです。働いていない方も仕事を探そうとしています。

この方々の内、働いているのは、83%です。(表7-(1)-1)このうち働くのをやめたいと思ってるのは1%だけです。(表14-1)働いていない方も8割以上が働きたいと考え(表15-1)、その三分の1以上の方が仕事を探しています。(表15-2)仕事をしている方と仕事を探している方を合わせると、全体の88%に達します。

これを日本全体の平均と比べてみました。

労働力調査15年平均との比較です。

http://www.stat.go.jp/data/roudou/2003n/ft/zuhyou/200200.xls

83%という就業率と比べます。年齢別に女性の就業率を調べると、1番高いのが45-49歳なのですが、高いといっても70%で、かなりの差があります。男性で近い数字を調べると、25-29歳で88%、55-59歳で89%です。母親の就業率は相当なものです。

次に、仕事を探している方も含めた88%との比較です。概念として近いのが労働力人口比率です。男性で一番近いのは55-59歳の93.5%です。定年年齢前の男性にやや足りない程度、仕事をしようしているということになります。この年代の男性はまだ、引退ということはなく、働くのを当然視されていますから、このグループに近いということは、働く意志が相当強固であると評価していいでしょう。

注目すべきは、末子(末っ子)の年齢別に見た母親の就業率です。0-2歳で70%を超えています。(表3-(2)-1と表7-(3)-1から試算しました。)

調査時期が同じ、平成15年国民生活基礎調査

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa03/1-4.html

で日本の平均を見ると、0歳では、23.4%と低く、1歳では、30.9%、2歳になっても、36.6%です。母子世帯の0-2歳の平均が、日本全体の2歳の倍に近いのですから、いかに収入を必要としているかが分かります。

この方々が、元来、就業意欲の高かったのかと言うとそうではないようです。母子世帯になる前に就業していた割合は66.9%です。(表6-1)しかし、就業していなかった方の7割以上が、現在は働いておられます。(表8)

夫なしに、女性が子供を養い、育てるのがどんなに大変かということが、浮き彫りになっています。

この調査は、とてもいいものだと思いますので、また、次回紹介を続けます。