母子世帯

いつも私が楽しみにしている「吐息の日々」を書かれている労務屋@保守親父さんが、平成15年に実施され、このたび発表された「全国母子世帯等調査」の母子世帯数、平成12年国勢調査の「女親と子供からなる世帯」の数の差について疑問を呈されています。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20050120

分かった範囲でお答えします。

まず、国勢調査にも「母子世帯」という概念があります。これは未婚、離別、死別した母親と20歳未満で未婚の子供だけからなる世帯です。これは625,904世帯ありました。

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2000/kihon1/00/zuhyou/a013.xls

ちょっと見にくいですが、59行目に母子世帯があります。27行目に女親と子供からなる世帯もあります。こちらは、3,302,408世帯です。

一方、全国母子世帯等調査の母子世帯が、1,225、400ありますが、このうち768、700世帯が母子のみの世帯です。これが国勢調査の母子世帯とほぼ同じ概念です。

概念(定義)は

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/01/dl/h0119-1a.pdf

に、数字は

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/01/dl/h0119-1b04.pdf

の表4-(2)に載っています。

 したがって、この厳密な概念で考えると12年から15年間での間に22%ほど増えたということになります。これは、やや範囲を広く取っている全国母子世帯等実態調査の母子世帯が10年から15年までに28%ほど増えたというのと、大体平仄が合っています。

 では、国勢調査の「女親と子供からなる世帯」と「母子世帯」の差は何でしょうか。

 前者には含まれて、後者に含まれない世帯を考えて生きましょう。

1 母親に配偶者がいる世帯。遺棄、行方知れずもあるでしょうが、単身赴任世帯も含まれている可能性が高いでしょう。これが、441,121世帯あります。

残り2,591,287世帯のうち、

2 20歳以上の子供がいる世帯

も後者には含まれません。たとえ20歳未満の未婚の子がいても、別にこのような子がいれば含まれません。母親と20歳の兄と18歳の妹という構成であれば、母子世帯ではありません。世帯主が女性で55歳以上という世帯が、1,079,315世帯ありますが、このような世帯では末っ子でも20歳を超えているでしょう。2に当てはまる世帯はもっとあるはずですが、これを除くだけでも、残りは1,511、972世帯に減ります。母子世帯との差は886,068世帯です。

さらに、

3 子供は20歳未満の子供しかいないが、その子は、配偶者がいたり、離別したり、死別したりして未婚ではないという世帯

も除かねばなりません。

こんなところでしょうか。

参考にしていただければと思います。

そういえば、今年は国勢調査の年です。結果が出ればいろいろ分析できます。面倒でも、調査には協力しようと思います。

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