「
働き盛りの男性の就業率はリーマンショック前を再び下回った。」では、
総務省の
労働力調査の3月分から男性の就業率を考えましたが、今回は男性の正規労働者比率(人口のうちの正規労働者の割合)を出してみました。
男性の人口に占める正社員の割合(%)年齢 | 2015年 | 2016年 | 変化 | 就業率の変化 |
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18・19歳 | 9.1 | 8.7 | △0.4 | 0.6 |
20・21歳 | 21.8 | 24.0 | 2.2 | 3.3 |
22~24歳 | 43.3 | 46.6 | 3.3 | 2.6 |
25~29歳 | 68.0 | 68.7 | 0.6 | 1.9 |
30~34歳 | 71.5 | 74.0 | 2.5 | 1.2 |
35~39歳 | 72.4 | 72.3 | △0.1 | △0.1 |
40~44歳 | 72.2 | 71.8 | △0.4 | △1.3 |
45~49歳 | 69.0 | 72.8 | 3.8 | 0.6 |
50~54歳 | 66.8 | 67.7 | 0.9 | 0.1 |
55~59歳 | 60.9 | 60.6 | △0.3 | △0.7 |
60~64歳 | 24.4 | 24.9 | 0.5 | 1.6 |
65~69歳 | 9.0 | 9.0 | 0.0 | △0.1 |
若年者の正規労働者比率が高まっているのは予想通りです。25歳から29歳は変化が小さいですが、この理由はよくわかりません。注意したほうがいいと思うのは、22~24歳と30から34歳では正規比率の上昇幅よりも就業率の上昇幅の方が小さいことで、これは自営、家族従業者、
非正規労働者として就業している人の割合が下がっていることを意味します。若い男性を
非正規労働者として雇うというビジネスモデルは、徐々に時代に合わなくなってきているのでしょう。
1年前は30歳代後半が一番正規比率が高かったのですが、現在は30歳代前半が一番正規比率が高くなっています。この年代は男性にとって世帯形成期なので世帯形成、つまり結婚にとっていい条件が整いつつあるということになります。
やや意外だったのは、35歳から44歳で正規比率も下がり、就業率も下がっていることです。正規労働者の割合の低下は
就職氷河期世代の影響かもしれませんが、就業率まで下がるとは思っていませんでした。
非正規労働者として雇うにも企業は35歳までといった基準を持っているのかもしれません。40歳代前半が特に良くないようです。40過ぎて非正規というのは苦しいでしょう。
氷河期世代の雇用の改善が必要です。そうしないと30年後には年金が少ない貧困な老人が大勢現れるということになります。
参議院選挙でも争点にしてほしいですが、あまり注目は集めそうにありません。
同じことは55歳から59歳についても当てはまります。こちらはあと10年といった感じです。
幸い、45歳から49歳と50歳から54歳も若年者と同じように正規比率が就業率以上に高まっています。
60歳から64歳は正規比率は上昇していますが、それ以上に就業率が上がっています。まだ、年金が出る世代であることも影響しているのでしょう。
35歳から44歳、55歳から59歳の雇用の悪化が、全体としては雇用状況が改善しているにもかかわらず、消費が伸びない理由の一つかもしれません。
それにしても30歳代前半と後半の明暗は、悲しい現実です。
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