60歳台後半の就業にどれぐらい期待できるのか?

高齢者の就業率の引き上げが叫ばれているらしいので、少し簡単な予測をしてみました。 総務省労働力調査によると、2014年には65歳から69歳の男性が436万人いて、そのうち就業しているのは220万人、就業率は50%です。女性は男性よりも人数は多くて468万人、就業しているのは少なくて143万人、就業率は31%です。 今後、人口は変化していきます。もし就業者数が変わらなければ、就業率はどのように変わっていくでしょうか。t次のような作業を行いました。2014年の人口を基に死亡を考えて将来の65歳から69歳の人口を予測する。就業者数は2014年のままとして、就業率がどれぐらいになるか計算する。結果は次の通りです。 まず、男性から。 男性の人口と就業率の予想>
2014年の年齢予想人口想定就業率
60歳から64歳426万人52%
55歳から59歳351万人63%
50歳から54歳347万人63%
45歳から49歳377万人58%
40歳から44歳426万人52%
35歳から39歳380万人58%
30歳から34歳325万人68%
25歳から29歳294万人75%
20歳から24歳272万人81%
15歳から19歳264万人83%
50歳代では2014年よりも10ポイントほど高くなり、60%台に上昇します。40歳代の前半に人口の山があるので、この時期には就業率は2014年と同じぐらいになりますが、その後はどんどん高くなり、15歳から19歳が65歳から69歳になる50年後には83%という高い率に達します。将来の人口減少を考えれば、男性の60歳代後半に期待できるのは25年後ぐらいまでではないでしょうか?逆に言えば、その後の世代にとっては65歳を超えて働くのが普通になるのかもしれません。 次は女性です。 女性の人口と就業率の予想>
2014年の年齢予想人口想定就業率
60歳から64歳464万人31%
55歳から59歳374万人38%
50歳から54歳371万人39%
45歳から49歳404万人35%
40歳から44歳453万人32%
35歳から39歳404万人35%
30歳から34歳345万人41%
25歳から29歳308万人46%
20歳から24歳282万人51%
15歳から19歳275万人52%
男性と同じような傾向です。ただ就業率の水準そのものはやや低いです。 人口の山が一つあるというのをどう評価していいか、なかなか難しい問題です。それまでに就業率が実際に高まっていた場合、それが標準になっているのでしょうか? 50年といったタームで見れば、ある時期までは、就業を拡大できますが、それ以降は男性については、人口の天井にぶつかりそれ以上の拡大はできないのです。女性には余地がありますが、当面どこまで高齢者の就業を拡大すれば、スムーズな経路に入れるのか、難しいところです。 人気blogランキングでは「社会科学」の番外位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング