「構造改革か需要確保か」について

構造改革か需要確保か」で、「需要の増加に基づいて就業率が高まることによって、労働条件の向上が進むはずです。労働時間の短縮、柔軟な労働条件の整備は、供給の増加によってではなく、需要の増加によって得られるものだと思います。人手が不足するから、女性に働いてもらうために働きやすい職場を作るのです。供給を増やすだけなら、労働条件は低下するはずです。構造改革的な政策よりも、景気の拡大のほうが優先されるべきだと思います。」と書きましたが、この主張を裏付ける記事が日本経済新聞の2014年2月15日朝刊にありました。 【広州=桑原健】中国の製造業の中心の沿海部では、工場が労働者不足に苦しみ、待遇改善を迫られている。春節休暇を故郷で過ごした出稼ぎ労働者が戻る2月中旬、長距離列車の駅前などでは、各工場が月給の引き上げや従業員寮の設備充実といった「好待遇」を訴えている。  広東省東莞市のゲーム機とイヤホンの工場は、最高給を従来より17%多い月3500元に増やした。工場の敷地内や寮にスケート場、ジム、映画鑑賞室、パソコン室がそろう娯楽施設の充実ぶりもアピールする。若者が長時間労働を嫌うため、「残業するかどうかはすべて自由」という。以下略  これは中国の例ですが、日本でも同じことで、人手不足になれば、起業は保育所だって整備するでしょうし、残業しないという言い分も受け入れるでしょう。    女性の就業率の高まり=女性の社会進出と受け止めて、保育所の整備など女性労働の供給増加ばかり図っていると、女性の低賃金が改善されなくなる恐れがあります。まず、需要増加を先行させ、労働条件が上がるのを確認しながら、供給増加策を講じていくべきでしょう。手順を誤ってはなりません。  人気blogランキングでは「社会科学」の29位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング