銀行の税金 23年度決算

銀行の税金 22年度中間決算」の続きです。 全国銀行協会が、全国銀行の23年度の決算(単体)を発表しました。 経常利益と税引き前当期利益は、2年度連続で3兆円を超えました。どちらもリーマンショック以前の19年度決算より多くなっています。 銀行の利益(億円)
経常利益純特別利益税引き前当期利益
15年度5,1264,7959,921
16年度19,0177,01826,034
17年度47,50411,78259,286
18年度43,1154,27747,393
19年度34,497△48834,009
20年度△16,0963,119△12,977
21年度24,4571,05725,514
22年度32,61154233,153
23年度38,173△1,12637,047
法人税、住民税、事業税は、5千億円を超えました。法人税等調整額も、7000億円を超えています。当期純利益も二年度連続で2兆円を上回っています。19年度よりも大きくなっています。法人税などと調整額を合わせた額は、久しぶりに1兆円を超えました。 利益・税など(億円)
法人税など(A)調整額(B)当期純利益仮定(A)+(B)
15年度1,63616,083-7,79917,719
16年度1,88911,20312,94113,092
17年度3,00814,24042,03717,248
18年度4,9688,43933,98013,407
19年度5,4277,33521,24612,782
20年度3,4153,564△19,9566,975
21年度3,6483,75018,1167,398
22年度3,6974,37125,0848,068
23年度5,2317,00324,81212,234
繰り延べ税金資産は、大幅に減りこの表の範囲では最低になりました。自己資本に占める割合も5.1%と最低です。資本の質は近来になくいいといえるでしょう。欧州の金融情勢が不安定になっているとき、銀行の体質がよくなっているというのは、安心材料です。 銀行の資産(億円)
繰延税金資産資本割合
15年度289,611
16年度58,600314,35818.6%
17年度32,337373,0728.7%
18年度24,786400,3486.2%
19年度39,114348,33811.2%
20年度50,554289,67617.5%
21年度31,614384,2798.2%
22年度31,510396,6017.9%
23年度21,525421,1215.1%
(注)ここでいう繰り延べ税金資産は、全国銀行協会が発表している「全国銀行総合財務諸表」の資産の部の繰り延べ税金資産です。 早く繰り延べ税金資産がなくなり、さらに、税法上の繰り越し損失も解消されて、銀行の納税額がもっと増えることが、財政再建のためにも必要です。そのためには日本経済の安定を維持することが必要です。24年度に世界経済で混乱が起こらないことを祈ります。 人気blogランキングでは「社会科学」の番外でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング