たとえ常識でも統計は必要

すなふきんさんが、

結婚適齢期の男性で2007年までの5年間に結婚した非正規社員の割合は、正規社員の半分にすぎず、出産した女性の割合も非正規と正規社員では2倍近い差のあることが11日、厚生労働省が公表した「21世紀成年者縦断調査」で分かった。

 「派遣切り」などが社会問題化する中、雇用環境が結婚や出産にも大きな影響を与えている実態が浮かんだ。」

という記事に、こうコメントされています。

何言ってるんだ今頃・・・。そんなことわざわざ調査するまでもなく常識として理解しておくことだろ。

http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20090312/1236811798

そうかなぁ?

雇用環境が結婚や出産に影響しているということが言われ出したのは、比較的最近のことだと思う。この調査は2002年に第1回の調査が行われ、対象者をずっと追跡している。ということは、準備にかかる期間を考えると、この調査が企画されたのは2000年ぐらい。このころ、こういうことは「常識」だったろうか?こういう問題意識を持って、早めに調査を開始したことは評価されていいんじゃないだろうか?調査というのは企画して、実施して、集計して、報告書をまとめるまでに相当時間がかかる。「何言ってるんだ今頃・・・。」というのは言い過ぎじゃないかなぁ。

仮に「常識」だとしても、これを数値で表すことには意味があるんじゃないだろうか?もし、「常識」なら「わざわざ調査するまでも」ない、となったら、多くの地味な調査はなくなって、際物的な調査ばかりになってしまわないかなぁ。日本の人口が1億2千万人台なんて、わざわざ調査するまでもなく分かっているけど、やっぱり国勢調査は必要なんじゃないだろうか?

それに、この調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen09/index.html)、実はもっと内容が豊富なんだなぁ。マスコミは取り上げないけど。6年前に非正規労働者だった若者がどれだけ正規労働者になっているか、「などなど」。

スナフキンさんの苛立ちは分かるけれど、これは統計を作っている人への八つ当たりじゃないかなぁ。

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